中古品と上手く付き合う 50の方法

                                                     【 BGM調整はこちら
アメリカの天才シンガー・ソング・ライター:ポール・サイモンの曲に「恋人と別れる50の方法(50 Ways to leave your lover)」と言うのがあるが、それになぞらえて「中古品と上手く付き合う50の方法」というのを考えてみた。機械も人間も同じ。相手を好きになれば相手の機嫌も良くなり、嫌いになれば調子を落とす。誠意は必ず通じ、上手く付き合えばより長持ちする事は間違いの無いところ。知れば知る程、Happy Life そして Good Sound。「中古品なんて安いから壊れたらまた買い換えれば良い」と思う方は「戻る」をどうぞ。読んでいる時間が無駄です。






中古品を買う ⇒ 初めに中古品の価値を知る外観付属品の有無事前に相談CDプレーヤーの購入カセットデッキの購入MDデッキの購入それ以外の機器の購入中古品の初期不良冬場の購入『送料無料』や「送料全国一律」の落とし穴外れリスクの最小化OEM製品ランニング・チェンジ
メディアについて ⇒ メディアの取り扱いメディアの入れっ放しはダメカセット・テープの保管MDの挿入CDの装着メディアの相性CD-R/DVD-Rの功罪
オーディオ機器の設置場所・環境について ⇒ 埃や煤を嫌う装置を重ねて置くスピーカーの接続光ケーブルのキャップコンセントに問題システム接続コードラジオのアンテナ電源リモコンPHONO入力端子のあるアンプ初期化
オーディオを楽しむ ⇒ 良い音を求めてRCAより光ケーブルスピーカーの向きスピーカーの簡単チューニングスーパー・ウーファーを繋ぐFM放送の受信調整FM/AMをリモコンなしで楽しむDVDプレーヤーはDVD専用
日常のケア ⇒ ケーブルの抜き差し子どもの悪戯時々動かすCDの表面をクリーニングするカセットデッキのヘッド外観を良くする学習リモコン
故障かなと思ったら ⇒ 音飛びがするメディアに問題が取扱説明書は重要リモコンの故障CDクリーナーは使用禁止ボタンがおかしいトレーが開かない結露と低温(10℃以下)ベルトの寿命ピックアップの寿命ピックアップの交換修理に出す自分で修理する
雑談&予備知識(気になる事) ⇒ レコードの音フルサイズって?メーカーの特色リモコンが大事!それとも軽視?ヤマハの不思議ジャンク品を楽しむメーカーに思う事

中古品は、新品に比べて数倍の故障要因を含んでいる。つまり、故障し易い。一方、名機と言われた高級機が、比較的安価に手に入るのも中古品ならでは。これらの事を理解した上で中古品に接する姿勢が、極めて重要であると思う。これまで数年間にわたりヤフオクやヤフーショッピングなどにて中古品販売を行ってきた。100名に1名以上の確率(1/100)で、中古品に対して新品同様の外観や品質を求められる方がおります。また逆に10名程度の確率(1/10)で、中古品だから仕方がないと受け取った時点で不具合が発生しても我慢される方もいらっしゃいます。人それぞれではありますが、そんな方々の後ろ盾となり、少しでもより大きな満足感を味わって頂ければと思う次第。弊方はステレオ大好き人間。弊方の出品分野を検討されている方々も、程度の差はあれオーディオ仲間。少しでも不満を減らし、喜びを増やす手助けができれば・・・。

思い付くままに書き連ねているので、読みにくかったり、話が飛んだり、多分に偏見や思い込みも含まれるところはご容赦願います。気が付いた時に更新・加筆しています。数えてみたら、いつの間にか50を越えていた。オーディオ機器と付き合うだけでもかなりの専門的な知識が要求される。レコードプレーヤー、カセット・デッキ、各機器の音質の違いや相性、等々。これが中古品となれば尚更だろう。それだけオーディオ機器と付き合う事は奥が深いと言う事だろう。少しでも参考になれば幸いです。

本題に入る前に、オーディオについて殆ど知識がない初心者の為に、オーディオ・システムについて概略を説明します。ご存知の方は、読み飛ばしてください。
オーディオ装置は、CDプレーヤー、MDデッキ、カセット・デッキ、レコードプレーヤー、チューナー、USB等々の再生/録音装置と、好みの音質に調整したり音量を調節するアンプ、実際に音を出すスピーカーが必要です。再生装置とアンプはRCA(赤白)コードで、アンプとスピーカーはスピーカー・コードで接続します。ラジカセなどは、これらの機能が全て内蔵されています。最近の機器に多く見かけるのが、CDチューナー・アンプと言われる装置で、CDプレーヤーとチューナーとアンプの機能を兼ね備えています。チューナ・アンプは、レシーバーと言う場合もあり、CDチューナー・アンプをCDレシーバーと表現する場合もありますが同じ意味になります。
つまり、XXプレーヤーまたはXXデッキとあれば、それは再生装置であり、音を出すには更にアンプとスピーカーおよびそれらを接続するコードを別途用意する必要があります。

本題に入る前に、もう一つ。そもそも中古品とは何か。何故、新品と比べて安く入手できるのか。
中古品が安い理由は、(1)故障リスクが高い、(2)純正付属品が欠品している事が多い、(3)品質保証期間が短いまたは動作保証が無い、(4)外観に傷やサビ等が存在する、(5)過去の使用経歴が不明(喫煙環境、ペット同居など)、(6)改造や部品欠品などがあるかもしれない・・・等々。
これらのマイナス条件が付加されるが故に、中古品は安いのであり、「当たり外れ」が存在するのである。結局は、新品の1/5の価格で購入できたならば、不幸にして故障が発生しても「あと4台購入できる」と考えれば良いのであるが。この事を失念し、故障したら販売者の不徳と思うならば、新品をお買い求めになる事をお勧めします。中古品である事を脇に置いて「隠れクレーマー」になる事なかれ。

中古品を買う ☆
【初めに】中古品は、新品とは異なり一品一様である。外観の程度はもとより、使用頻度や修理履歴などは不明であり、改造されていても分からないし、中の部品に欠品があるかも知れない。喫煙環境にあったか、ペットと同居していたか、どのような環境下で保管されていたか、などは全く不明。加えて、故障リスクは新品と比べて遥かに高い。だから安いのである。先ずは、「当たり外れがある」事を頭の中に入れて付き合って欲しい。先入観を捨てて接する姿勢が重要。この事を理解せず、「お金を出したのだから・・・」と不満を漏らすならば、新品を買う事をお薦めする。
中古品を購入する場合、ハード・オフやリサイクル・ショップにて購入する場合には、実機を手にして外観や不明点を質問するなりして、新品購入とほぼ同等の納得の上で購入できる。しかしながら、陳列されている機種は限定的であり価格もそれなり、購入に至るケースは少ないであろう。逆に、ヤフオクや通販では、数枚の小さな写真と定形的なコメントからしか現物の評価はできず、加えて販売者の意思が強く反映されている。「名機」や「良音」の乱発、「経年品故のそれなりの傷」で全てを隠してしまう。これらは全て「外観の評価は主観である」の言葉で纏められ、反論の余地は無い。
一番重要な事は、販売者の人間性が信用できるかどうかだと思う。人間性が信用できれば、その方の推薦品には間違いが少ないであろう。ヤフオクや通販を利用する場合、機種の選定よりも先に、その会社、販売者の信用度を測る事が重要ではないかと思う。信用できる人間は、自然と「商品説明」にもその性格が表れる。逆に、殴り書きの様な説明文や誤字脱字が多い、商品の説明より先に注意書きを延々と記載している出品者は、要注意。日頃から、信用できる出品者なり、通販サイトを探しておく事が必要である。「あばたもエクボ」ではないが、欲しい機種が見つかると冷静さを失ってしまうから。あるいは、「自分は物分かりが良い人間だ」と思いつつ、事態に遭遇すると自己中心的な考え方に偏る。そして、過分な期待、期待にそぐわない場合の大いなる失意、そしてその反動としてトラブルに対する過剰な反応、等々。避けたいところである。気が付いて欲しい、相手は「馬鹿な奴だ」と罵っているに違いない事を。こちらが幾ら正当性を言っても、全く通じない事を。たかだか数千円の事で、人間性まで見失いたくない。
加えて重要な事は、機器の寿命はユーザーの手にかかっている、と言う事。やもすれば、ユーザー側の責任である筈の接続ミスや不良メディアに原因があっても、全てを機器のせいにしてしまう。また、背面の接続端子のハンダ割れの原因も使用者の取り扱いが悪い事が多いのであろう。CDの面についている沢山の傷も使用者が傷付けたもの。スピーカーの凹みや傷もしかり、機器の内部に入り込んだ埃や異物も同様。人も機械も同じ。大事に扱えば、機械も機嫌良く付き合ってくれるだろう。
当然の事ながら、機能は商品によって様々です。また、リモコンがないと操作できない機能も沢山あります。単に商品提供者の「商品説明」だけに頼るのではなく、ご自身にて当該機種の機能やリモコン操作などについて、事前に調べておく事は、極めて重要です。特に中古品は、正常動作が確認されたならば、機能に不満が生じても「返品不可」だからです。新品時のメーカー対応と同等のサービスを、中古品提供者に求めてはいけません。
オークションでの注意点・・・≪
[ヤフオク・ガイド] 「ヤフオク」と上手に付き合う7つの心得
オーディオについての基礎知識・・・≪ [オーディオ用語] オーディオ用語 & HOW TO
【中古品の価値を知る】本項は、多分に私見も入っており、経験豊富あるいは自己判断力のある方は読み飛ばして下さい。新品であれば、メーカーや量販店がその商品価値を把握し、販売価格が設定される。それでは中古品の場合はどうか。一般的には、定価の約1割と言われているが、これを鵜呑みにしてはいけないと思う。中古品の個体差は大きく、中には新品と見間違うばかりの個体もあり、逆にゴミ同然の物もある。中古品の定価なるものは存在しない。一般論や過去の事例を基準にすると逆に痛い目に合ってしまう。
弊方が販売価格を設定する基準は、①当時の販売価格(基準価格は定価の1割)、②外観の程度(並品以下であれば値引き)、③動作の程度(不具合の程度にて値引き)、④メンテナンスの程度(ベルト、ピックアップ、リレーなどを新品に交換)、⑤付属品の有無(取説やリモコンなど)、⑥人気度や希少度、等々である。個体差や上記の条件違いを多分に含んでいるので、単純に価格だけを比較しないで下さい。また、ヤフオクの場合には、時として加熱的に高騰する場合もあるので注意が必要。
結局、何を言いたいのか。新品を購入するのと同じくらい、あるいはそれ以上に、様々な条件を鑑み、その個体の持っている本質的な商品価値を評価して欲しい。個体差は時として機種差よりも大きい。くれぐれも早計な判断は禁物。さもなくば【初めに】にある「大いなる失意とトラブル」に遭遇する事になる。
そもそも販売価格は、購入者が決めるのではなく販売者が決めるもの。高いと思うなら他を当たるしかない。「高い」と言って販売者を攻めるのは筋違い。つまりは、手間暇をかけてより良いものをより安く探す努力こそが重要であろう。知識と経験は身を助けます。
【外観】外観は非常に重要だと思う。これまで多くの台数を扱ってきていて、つくづく思う事である。特に正面パネルの程度が、一番である事は言うまでもない。サイド・カバーや背面は、ラックに入れたり何かを被せれば分からない。「寝室に置くからそれでも良い」と購入時は思うかもしれないが、何かの拍子に機器を移動して想定外の場所に置きたくなる事もある。オーディオは趣味・趣向の分野である。安いからといって傷だらけで余りにも貧乏臭いのも・・・。自分の持ち物ではあるが、それを見た家族やお客様は、それを所有している貴方まで同じ程度の人間かと思ってしまわないか。逆に、そこに程度の良い素晴らしい機器が並んでいれば・・・。
【付属品の有無】特にオークションでは顕著だが、本体のみで付属品が欠品している事が多い。手元に届いてから、繋げられない、リモコンが使えない、取説がなくて使い方が分からない、などという事がかなりの確率で発生する。弊方でも、発送してからかかる相談を受ける事も度々。これらを入手するには、再度、購入費用、振込手数料、送料等を支払って手に入れるしかない。オークションで入札する時は10円, 20円を争っておきながら、不足する付属品の入手に、数百円、数千円を追加で払う。これってどう?仕方の無い事?
【事前に相談】弊方では、学習リモコンの代用も含めて、上記の付属品を充実させ、取説も積極的に収集している。発送してからでは遅い。実際にあった話だが、機器の機能も十分に理解していない方が、落札してからあるいは手元に届いてから「音が出ない」と。聞いてみれば、アンプが無いとかスピーカーを持っていないとか。購入前に、少なくとも発送前に、ご自身の環境を調べ、事前に何が再利用でき、何が不足するのかを考え、相談して頂きたい。機器構成、配置場所によるスピーカーの線の長さ、アンテナの設置、リモコンが再利用可能かどうか、本件とは無関係であるが他の機種で困っている事はないか、この際に追加で検討してみようか、等々、何でも良い。聞くのはタダである
【CDプレーヤーの購入①】CDプレーヤーは比較的容易に購入できる。最近のそれなりのメーカー機種であれば、音質的な差は小さい。外観の程度、デザインと予算で決めても良いだろう。それでも、送料やらを加えるとそれなりの出費が必要になるが、一方、購入して数カ月で故障するのであれば、高くついてしまう。やはりメンテナンス品をお勧めする。特に、ベルトやピックアップが新品に交換された個体は、将来の故障リスクは小さい筈である。グリスアップだけでも動きは随分とスムーズで静かになり、購入されたお客様から「新品の時はこうだったね」との声も聞く。また、ピックアップが新品の場合には「前に持っていたのと音が違う」と感嘆する。
【CDプレーヤーの購入②】1980年代の機種は、当然であるが、入手は困難。加えて、美品ともなれば、尚更希少であろう。最近の機種と比べて、比較的高額であろうが、当時、何万円もした事を考えれば、何とも安いものである。一方、年数もかなり経過していて、部品の劣化も心配。軽率な判断は避け、慎重に選択すべし。そして、これと思った個体は、確実に入手された方が良いと思う。次の入手の機会があるかどうか、全く不透明だから。ちなみに、通販などで「ビンテージ」と称して、オークションの倍ほどの価格で販売されているが、高いからといって、将来の故障リスクが小さいとは限らない。写真が綺麗だからといって、傷がないとは言い切れない。加えて、ビンテージ品と称するにはどうかと思うような大衆機も、なにやら高級そうに表現している。中古品は、新品とは異なり、一品一品が別物である。やはり、メンテナンス品が、一番、故障リスクは小さいだろう。多くの機器を知り、多くの機会を捉え、良質な目を養う事は重要である。
【CDプレーヤーの購入③】CDプレーヤーは、故障が多い。それもある日突然に動かなくなる。1台しか手持ちになければ、修理が終わるか次を購入するまでCDを聴く事ができない。お気に入りの機種であれば、できれば2台持つ事をお勧めする。最悪、2台共故障しても、ニコイチという方法で正常品1台を確保できる事もある。あるいは、バックアップ用に比較的安価でコンパクトな機種を確保しておいても良いかも。いずれにしても、音楽ファンなら複数台を確保しておく事をお勧めする。2台目はじっくりと時間をかけて探せば良いだろう。
機種によっては、ピックアップが入手できず修理が出来ない場合がある。例えば「ONKYO/FR-N7EX」はOKだが「FR-N7FX」は修理できない。一般の方にはなかなかこの区別は困難だが、≪ 取扱説明書PDF版(取説/PDF) ≫の修理の項を参考にされると良い。これが「A~C」なら、修理は容易と言う事になる。
【CDプレーヤーの購入④】CDプレーヤー、特にコンパクト・タイプは、一見どれも同じように見える。ところが、コストとの兼ね合いであろうか、いろいろと異なる点がある。まず、単独でリモコン操作ができるかどうか。次いで、「REPEAT」機能がリモコン無しで操作できるかどうか。ディスプレイの劣化(ムラ)や表示方法も機種によって様々。中には、持病持ちもある。これらは、単に購入費用の問題だけでなく、後々、問題になる事も少なくない。新品ならまだしも、中古品は、機種の選択、個体の外観程度など、慎重に検討すべし。
【カセット・デッキの購入】カセット・デッキは、CDプレーヤーのピックアップの代わりに、ヘッドという部品があり、音質の重要な部分をつかさどっているが、余程の使用頻度でなければ、劣化は少ないので、あまり心配する事はないだろう。常時、テープが接触する部品なので、帯磁や磁粉の心配はある。
カセット・デッキは、トレーの開閉用とテープの駆動用に1~2本のベルトを使用している。故障の大半は、このベルト由来であるからして、ベルト交換品は、将来の故障リスクもかなり小さいであろう。最近の機種の音質は、昔と比べて格段に進歩していると感じる。CDプレーヤーと比べて、購入の失敗は少ないと思われる。
カセット・デッキを購入する場合は、ヘッドクリーニングや消磁はメンテナンス作業として必須なので、本体の購入と合わせて、これらの工具・用品の入手と、メンテナンス作業を心得ておいて下さい。
古い劣化したテープほど、ヘッドを汚しますので、長期間に保管したテープを再生する際は、再生した後に、ヘッド周辺のメンテナンスを行ってください。
ちなみに、テープを保管する場合には、どちらかにテープを完全に巻き取り、高温多湿や埃を避けて保管します。
【MDデッキの購入】MDデッキも、比較的容易に購入できる。そして、CDプレーヤーと比べて、メーカーや機種の違いによる音質の差は小さいと感じる。これも、デザインと予算で決めても良いでしょうか。メカ部を有しているが、CDプレーヤーほどメンテナンスにこだわる必要もないかと思う。そもそも、ピックアップが高額なため、これを新品に交換した個体などは、殆ど見かけない。ベルトを使用している機種も少ない。故障リスクは全く不明で、日頃の行い次第か。
但し、Hi-MDは、かなりの確率で故障している場合が多いので、慎重な判断が必要である。
ちなみに、MDは、録音を繰り返すと劣化しますので、約10回程度を目途に、録音を繰り返したメディアは廃棄した方が良いでしょう。また、ケースに入れないで放置すると、埃がメディア内部に侵入する可能性もあるので、必ずケースに入れ、高温多湿を避けて保管しましょう。
【それ以外の機器の購入】上記以外の主なユニットは、アンプとチューナー、スピーカーになるが、比較的故障が少なく、これも、外観の程度、デザインと予算で決めても良いかと思う。アンプの出力は、あまり気にする必要はないだろうが、ガリがある個体はダメ。近い将来、その後の不具合発生を示唆している。チューナーは受信周波数の範囲に違いがあるので要注意。感度の良し悪しは、使用環境にも左右されるので微妙。スピーカーの音質は、ウーハーの口径とキャビネットの容積は大きい方が良いと言われるが、実機を聴いてみないと、カタログからは何も分からない。故障したら、日頃の行いが悪かったと、諦めて下さい。
【中古品の動作確認と初期不良】機器の故障は、新品の場合でも1%以下の確率だが初期不良が発生する。だから保証書が付いてくる。その後は安定期に入り、数年後に再び経年に伴う不良が個体差によって徐々に増えてくる。新品でも発生するのだから、中古品の発生確率はその数倍になると思ってよい。特に中古品は専用の梱包材がないので、輸送に関わる事故も意外と多い。
弊方の経験では、約0.5%程度の確率で輸送事故が発生し、0.5%程度の確率で中古品由来の原因による初期不良が新しく発生する。お客様からの「正常に動かない」との報告は、約3%程度(操作ミスやメディア不良は省く)あるので、差し引きして2%程度の確率で「輸送による一時的な不調」が発生している事になる。「輸送による一時的な不調」とは、いくら厳重な梱包をしても避けられない。数10時間にわたる細かな振動が各部品に及び、グリスの偏り、ベルトやメカ同志の喰い込みなどを誘発して起こる。また、外損はないものの、数10センチの高さから落としても、中に致命的なダメージを与える事がある。毎日100個の荷物を数名の配達員が受け渡しを行い、トラックの積み下ろしを行えば、1~2個の荷物をちょっと落としてしまう、乱暴に扱ってしまう事は、いくらベテランのドライバーであっても十分に考えられる。
初期不良が発生したらどうしたら良いか。慌てず騒がず、弊方が添付している≪ [動作確認] 動作確認時におけるお願い ≫を参考にして欲しい。これは、何も弊方から購入した場合に限った事ではなく、新品であろうが中古品であろうが、全ての製品に共通した事項であり、何が起きているのか、どうして正常に動かないのかを知る重要な手がかりとなる。購入者側の協力があってこそ、初期不良の解決もスムーズに行われる。現物は購入者の手元にあり、輸送業者も、出品者も、想像するしか術はない。ドライバー1本でカバーは開けられるので、中の動きを観察して出品者に報告して欲しい。メンテナンスの経験がある出品者であれば、その報告で大凡の原因は特定できるから。
本編の各項にもある通り、正常に動作しないからと言って故障の全ての原因を受け入れた機器のせいにしてはならない。周辺の機器とて中古品である。つまり何時壊れてもおかしくはない。メディアから始まり、各所の接続、そして最後はコードも疑う必要がある。弊方の過去の事例として、かかる原因による不具合は数えきれない。現品はご自身の手元にあるので、ご自身で頑張って原因を探るしかないのである。信頼のおける出品者なら、出品者に相談するのも良い。とにかく「慌てず騒がず、早とちりせず」が一番。早とちりして直ぐに購入機器のせいにすれば、出品者は身構える。
【冬場の購入】冬場は、中古品にとってツライ時期である。まず、「結露」の問題があり、「低温」(10℃以下)にも弱い傾向がある。輸送中の振動も、運搬の足場が悪く、雪道は振動が多くなり不安である。
つまり、正常品であった筈の機器が、一時的であるにせよ、正常な動作をしない確率が高くなる。音質的にも、条件は悪くなる。売る側は、当然この事を知っておかねばならないし、買う方も、知っていた方が、トラブルになっても冷静に対応できる。
とあるお客様から、「沖縄に住んでいた時は、一番良い音がした」とのコメントを頂いた事もあります。

逆に言えば、寒い冬場で10℃以下の環境でも、何の不具合も無く正常動作する個体は、「良品」と言っても良いだろう。もし不具合が出たら、【結露】の項を参照。
冬場に購入する場合には、機器を開封した後、温めた部屋内で1時間位放置した後に、動作確認を行ってください。使用するメディアも同様です。
【『送料無料』や『送料全国一律』の落とし穴】
『送料』とは「商品代とは別にご負担ください。」との単純な意味。出品者と発送元が遠く離れていれば送料が高くなるのは当たり前。そして、『送料無料』とは決して「送料相当額の値引き」ではない。
ならば、「送料無料」とか「送料一律」の裏にある出品者の対応の本心はどこにあるのか。

(1)「購入金額5千円以上は送料無料」や「条件付き送料無料」などは、出品者からの「送料無料サービス」と思っても良いだろう
(2)単純に「送料無料」の場合には、送料相当額を商品代に上乗せしてある
(3)「全国一律」とは、地域別送料の平均値か、やもすれば高額な送料に合わせて設定している。従い、発送地と受取地が同一県内の場合ならば割高になる事が多い
(4)見かけの商品代を低く設定して、商品サイズ・重量に見合わない高額な送料を要求する出品者は論外
(5)水槽用の生体を扱っている「チャームcharm」などは、120円で送れる商品も数10個の商品を同時購入しても、送料は一律の730円が設定される。購入状況によって、割安になったり割高になったりする
企業は、収益を圧迫してまで送料を負担する事はあり得ない。サイト運営者は、決済を簡便に進めるために「送料無料」や「送料一律」を出品者に求めてくる。これに便乗して商品価格や送料を恣意的に操作する出品者が少なくない事を理解すべきであろう。結局は、「商品代+送料」の総額で商品価値を見定める事。出品者の思惑もまた同様である。決して『送料無料』や『送料全国一律』の言葉に惑わされぬ様に。
【ならば、どれを買うのが良いの?・・・外れリスクの最小化】
先に、中古品には「当たり外れ」があると述べたが、ならば、動作品を求めている場合には、どうしたら「外れクジ」を引かないか。要は、「外れ」かもしれないリスクを最小化する判断・行動が重要である。それは、
(1)欲しい商品についての予備知識(機能、性能、デザイン、付属品等々)を豊富に持つ
(2)メンテナンス品かそれと同等の、品質的に信頼性の高い商品を選ぶ
(3)動作保証などアフター・フォローのある商品を選ぶ
(4)梱包や輸送事故に対して責任ある提供者を選択する(輸送事故は出品者が対応すべき
※ノークレーム・ノーリターンには手を出してはいけない
※必要な付属品などは、一度に同じ提供者から求める方がコストダウンになる
つまりは、十分な検討と慎重な選択こそが「外れリスク」を最小化する。そして購入価格を事前に決めておく事である。決して「より安く買いたい」、「安いから買いのチャンス」と思わぬ事、数千円の事をケチらない事。「少しでも安く買いたい」との思いこそが「外れリスク」を大きくさせる。そして、普及機と高級機の価格差は新品時よりも遙かに小さい。一方では、性能、機能、デザイン差は新品時と全く同じである。思い切って高級機・上位機も検討の中に加えてみる事をお勧めする。当然と言えば当然であるが、上位機種の方がより信頼性の高い部品が使われており故障しにくい。例えば、「Hi-MD対応のONKYO/FRシリーズ」でも下位機種ではMD部はほぼ全滅だが、上位機種は健全な場合が多い。中古品であればこそ可能になる選択肢である。
【意外に多いOEM製品】
OEM(Original Equipment Manufacturere):他社ブランド品は、オーディオ製品にも多く存在する。絶対と言う保証はないが、両機の音質的違いは殆どないだろう。何故なら、中の基板も殆ど一緒だから。
  BOSE/RA-8 vs SANSUI/R11
BOSE/CDA-8 vs SANSUI/C11
BOSE/AMS-DMC vs TEAC/CR-H100
TEAC/CD-P1850 vs CEC/CD2300
Victor/UX-MD1→DENON/D-MD01,SANSUI/MH9
【ランニング・チェンジ】
一般的に、制御基板の設計が異なれば、型番を変更する。設計書や部品の在庫管理の面からも、本来ならばそうすべきところ。ところが、型番を変えずに、ピックアップ型番を途中で変更する場合がある。修理屋にとっても、いささか難儀な現実です。音質的には大きな違いないのだろうが、修理をお受けする場合にも、戸惑いが生じる。皆様の中にも、ニコイチでジャンク品を入手する際にも要注意な機種である。
具体的機種:BOSE/CDA-12, ONKYO/C-722M, ONKYO/C-722MLTD, ONKYO/FR-N7SX, SONY/HCD-SD1
余談だが、機種によっては、同一型番のピックアップでも、代用品では上手く行かない事がある。特にNakamichiが厄介である。おそらく、ピックアップへ特別な制御をかけているのだろう。ピックアップ周辺は、意外と難儀する事が多い。
  メディアについて ☆
【メディアの取り扱い】まずは、メディアは丁寧に取扱う事。記録されている部分には「絶対に触らない」位の心構えが欲しい。装置が故障したと思っても、メディアに原因がある場合の確率は、意外と高い。CDが汚れている、CDに深い傷がある、CD-Rの焼きが甘い、CDの装填ミス、MDの挿入ミス、MDの相性、MDの録音状態、カセット・テープのワカメ化、レコードの汚れや傷、等々。加えて、一度傷付いた、変形したメディアは、方法により多少の改善は見込めるものの、大概の場合には、元に戻らない。変形したレコードが、針に与える負荷は相当なものである。ようやく手に入れた貴重なCDに傷を付けてしまった時のショック。後悔、先に立たず。
【メディアの入れっ放しはダメ】プレーヤーにCDやMDを入れっぱなしは止めた方が良い。電源を入れるだけで、ピックアップが作動し、メディアを回転させ、いつでも再生できる状態になる。便利な機能であるが、無駄にピックアップを消費し、当然、寿命は短くなる。また、長期間この状態を続けると、ベルト等やギア周辺のグリスが固着し、メディアが取り出せない状況に至る可能性もある。弊方の手元にある何10枚もの試聴用のCDやMDは、全て中に閉じ込められていた物である。
【カセット・テープの保管】カセット・テープ等は、巻き戻した状態で保存しておく事。とても薄い素材なので、周囲の湿度や温度の影響も受けやすく、変形(ワカメ状態)してしまう。こうなると、再生しても音がふらつき、まともに聴けない状態に至る事もある。ビデオ・テープも同様。
【MDの挿入】差し込む時にはMDの向きと表裏に注意する事。メーカーによれば、「適切でない方向には入らない構造になっている」と言うが、無理をすれば入ってしまう。無理して差し込むと、MDメカが正常に動かず時として部品を破損させ、当然MDは取り出せなくなる。これ、結構、重要。実際にあった話。
【CDの装着】CDは、きちんとトレーの中央にセットする事。YouTubeで、玄人っぽく滑らす様に入れる方を時々みかけるが、真似はしない方が良い。機種によっては、タイマーが働いて自動的に閉じる事が有り、大事なCDが斜めになって中に入り込み、当然、無理な状態でCDを回転させ・・・傷が付く。それだけならまだ良いが、部品が破損したり、タイミングがずれて、トレー開閉不良を引き起こす場合もある。CDに傷が付く原因の90%以上が、この時であると知るべし。
また、動作確認では、傷や汚れがない市販のCDを使用する事。更には、市販のCDにも不良品や読みにくいものもあるので、数枚のCDを用いて動作確認を行ってください。一般的には「CD-Rは動作保証外」となっているので、動作確認では使用しない様に。傷のあるCD、汚れているCD、書き込み状態が悪いCD-Rは、ピックアップを痛めます。つまり、機器の寿命を縮めてしまいますので、CDは綺麗な状態を心がけて下さい。
【メディアの相性】メディアとの相性とは、なかなか理解しにくい事です。本当に存在するのかどうかも定かではありませんが、巷で言われている事です。確かに、あるCD/MDでは全く問題ないのに、別のCD/MDでは認識すらできない事が、事実としてあります。市販のCDでも起こります。結局は、メディアに書かれている状態への対応能力と表現したら良いでしょうか。つまり、新品のピックアップで良好に記録されたメディアでは相性の問題は発生し難いのではないか。ピックアップや周辺の部品の能力が低下し、メディア側の様々な状態に対応できなくなったと言えば分かり易いでしょうか。しかしながら、中古品故にどうにもならない状況です。メディアは綺麗な状態を保ち、レンズ・クリーニングを怠らない事が最善策でしょうか。
【CD-R/DVD-Rの功罪】CD-RやDVD-Rは、「学習リモコン」と同じで、市販のCD/DVD-Rを何ら傷付ける事無く温存でき、尚かつ、その音楽を楽しめると言う、非常に便利なメディアです。
しかしながら、CD-R/DVD-Rは、個人で作成されたCD/DVDです。つまりは、きちんと書き込みが行われていたかどうかが保証されず、メディアにより、書き込みソフトにより、レコーダーのピックアップの状態により、作成されたCD-R/DVD-Rの程度は一枚一様です。新品同様のプレーヤー(あるいはピックアップが極めて良好な状態)では読めるが、中古のプレーヤーでは読めない事象が多数あります。おそらくは、焼き込みが浅いなどで適切に作成されていないのでしょう。この状況は、見ても分かりません。
中古品の場合には、ピックアップも多少なりとも劣化が進んでおり、新品時に比べて読み難くくなっている事は事実ですが、「他のプレーヤーではこのCD-Rが読めたので、このCD-Rが読めないこのプレーヤーは故障している」とは早計の判断だと思います。市販のCDが問題なく読み込めるならば、故障とは言えません読める場合と読めない場合の違いは、機器の違いではなくメディアの違いなのです。ご自身の期待外れと、商品への過小評価を一緒にしてはいけません。ちなみに、新品の市販CDにも一定の割合で、読みにくい場合がある事も確認されています。工業製品故の品質のバラツキでしょう。
焼き込みが浅いCD-R/DVD-Rを読み込むには、より強いレーザー出力が可能なプレーヤーしか読めません。逆に言えば、常に高いレーザー出力状態になっているため、ピックアップも早くに弱めてしまう結果になりかねません。特に非純正品のピックアップではこの傾向は顕著の様です。

これが、ヤフオクなどで「CD-Rは動作保証外」としている理由です。理由は分からぬとも、事象として経験があるからだろう。新品の機器であっても、「読めないCD-Rがある」と取説に書かれています。過去に、沢山のトラブルやクレームがあった証でしょう。車でも、「砂利道を走ってはならない」とは書いてないが、いつも砂利道や悪路を走っていれば、早く故障してしまう・・・それと同じです。弊方でも、CD-R多用者への販売はお断りしている。上記の状況を理解した上で、自己責任で利用する分には、一向に構わないのだが、「動作確認」に使用される事を避けるためである。
大事なメディアを取るか、劣化が心配なピックアップを取るか、それが問題だ。CD-Rを多用される方は、安価なCD/DVDプレーやを使用し、光デジタル・ケーブルでアンプに接続される方法をお勧めします。
  オーディオ機器の設置場所・環境等について ☆
【埃や煤を嫌う】カバーに放熱孔がある機器は、埃等の防塵対策を講じる事が望ましい。予想以上に、機器への内部に入り込む。埃は湿気を吸着し、煤は元来導通性のある物質である。これらは、パターンのショートに繋がる。油類は、強烈に埃などを表面に吸着し、クリーニングも厄介。タバコの匂いは一度付いたらなかなか消えないし、ペットの毛も中に入れば二度と出てこない。ラックに入れるのが良いのだが、さもなくば通気性のある薄い何かで覆うのが良いでしょう。ステレオ装置は、紛れもなく精密機器である。埃や煤・煙の少ない場所に置いた方が良いのは言うまでもない。
【装置を重ねて置く】皆さんは、複数台の装置を縦に積み重ねる場合、どの様な順番に置いていますか?安定性の観点から重い順番に置いているでしょうか?地震などを考えればその方が良いでしょう。ところが、アンプやプロセッサーなどは機器内部の温度上昇を防ぐためにカバーに放熱用孔が沢山開いており強度的に弱く、その上に他の機器を乗せれば放熱効果が減少し、コンデンサーなどの劣化が促進され、故障に至る可能性が高くなる。事実、サンスイやデノンの取説には、アンプを最上部に置くことを推奨している。参考までに、「SANSUI/AS11」の推奨セッティングでは、下からカセットデッキ、MDデッキ、CDプレーヤー、レシーバー、プロセッサーの順に置いている。横組みの場合には、1列目のMDデッキの上にプロセッサー、2列目にはカセットデッキの上にCDプレーヤー、その上にレシーバーと重ねるている。つまりアンプ類を一番上に置いている。孔があいている機器を一番上に置けば、埃もアンプ内部に侵入しやすい。一番良いのはオーディオ・ラックを使う事だが、スペースや予算の関係でなかなか難しい。
もう一つ気を付けたいのが、上に重ねた機器のインシュレーターの底にあるゴムが下の機器にカバーにゴム跡として残る事である。ゴム跡程度であればまだ良いが、ひどい場合には凹んでいる。上に乗せる機器のインシュレーター(4つの足)の下にゴム跡として残らないような材質のクッションを張り付けてください。ホームセンターで売っている小さなものなら何でも結構です。防振効果としても多少でも期待できるでしょうか。
言うまでもないが、これらの機器の総重量はそれなりなので、しっかりとした土台の上に設置しなければならない。機械に気を配る程に機械も喜び、長持ちするだろう。
【スピーカーの接続】スピーカーを接続する場合、プラスとマイナスに注意しなければならない。通常は、赤と黒で端子が色分けされており、アンプ側も同様。赤は赤に、黒は黒に繋ぐ。これを反対に接続しても音は出るが、低音が出にくかったり、音の明瞭感が無かったりする。ぼやけた音に聴こえる場合には接続を確認してみて下さい。
また、接続する際にはスピーカー・ケーブルのはみ出た線に注意。アンプ背面のどこかに触れればショートする。接続する際には線をしっかりねじってから差し込む。ネジタイプの場合にはしっかりとネジを回し切る。圧をかけるほどに接触面が増え音は良くなると思うべし。圧着タイプであれネジ込みであれ、必ず線を少し引っ張ってみて、きちんと接続されている事を確認する事。物理学的にいっても、この接触部の抵抗が音質を大きく左右する。いくら高級なスピーカー・ケーブルを使っても、接続がいい加減なら良い音がしないどころか、悪くなったりトラブルを引き起こす。
スピーカーにはインピーダンスという特性があり、アンプ側の適合インピーダンス範囲内とされている。インピーダンスの低いスピーカーはアンプのボリュームが同じでもより大きな音が出る。実際のところ、4Ωのスピーカーを6~16Ωのアンプに繋いでも、大音量でなく通常の9~10時あたりのボリュームで聴く分には全く問題ない。12時以上の大音量で聴く場合には、アンプ側の適合インピダンスに合わせたスピーカーを選んでください。複数のスピーカーをアンプの一対の端子につなぐ場合には、スピーカー側の総インピーダンスを計算して安全性を確認する必要がある。オームの法則により、並列につなげばインピーダンスは低くなり、直列につなげば高くなる。
【光ケーブルのキャップ】光ケーブルの端子は、使用しない場合にはキャップを付けておいて下さい。推測の通りだが、埃が付けば光の導通性が悪くなるのは当たり前でしょう。これまで、これが原因で接続できなかったと言う経験もないのだが・・・。
【コンセントに問題】未だに確証はないが、電源の影響を受ける事がある様だ。そして中古品はこの対応力も弱っているかも知れない。特に、強力なアンプなどと同じ系列の電源が怪しい。弊方では起きた事がないが、お客様から報告があった。怪しいと感じた時には、できるだけブレーカーに近いコンセントで動作確認を行うと良いか。また、ハム音が入る事もあるようだ。不具合の初期は、症状が発生したり正常になったりを繰り返すので、これらの影響かどうかも判断は難しいところだが。
【システム接続コード】オークションでも、良く見かけるシステム接続コード。同じメーカーであれば、これを接続しておくだけで、大概のボタン操作が連動する。例えば、アンプの電源を切ると、接続されている周辺の機器の電源も落ちる。アンプの入力切替をCDプレーヤーにすると、CDプレーヤーの再生が始まる。時として、アンプ付属のリモコンで、周辺装置のリモコン操作も可能になる。つまり、単品コンポが、一対セット組の様な動きをするのである。但し、メーカーによっても違うかもしれないが、システム接続コードだけ接続しても、周辺機器が操作できない事がある。実は、オーディオ・コードも接続しないと連携しないのである。
シリーズで装置を揃えられている方、数百円の事なので、是非ご検討を。

ちなみに、現物を見ると、通常のミニーミニ・プラグとよく似ていて、ステレオ・タイプとモノラル・タイプがある。抵抗値が許容範囲内ならば、一般品でも代用出来るかも知れないが、機器に負担をかけてはいけないと思い、試してはいない。弊方では、実際のところは分からないので、メーカー別にそれぞれの純正品を用意しているが・・・。市販品や他メーカー品を使用する場合には、自己責任で。
【ラジオのアンテナ】CDチューナー・アンプを積極的に取り扱う様になってから、ラジオを聴く機会が多くなった。そして思う事が一つ。アンテナは、しっかりしたものが良い。ノイズが混じったり、音量がフラツクのは、嫌な感じ。コンポに付属しているアンテナを使っていて、これに思い当たるのであれば、アンテナを強化してみるのも一考。良好な環境でのラジオは、音楽ソースとしても捨てがたい。電波が弱く、上手くチューニングできない場合には、【FM放送の受信調整】の項をご参照願いたい。
【電源リモコン】各装置の電源入り切りは面倒ではないですか。リモコンがあっても電源スイッチがない場合もあるし、リモコンがなければ、自分の手で各機器の電源を落とすしかない。電源コンセント・リモコンと言うのをご存じだろうか。普通に売っています。コンセントに差し込み、そこから各装置の電源コードを接続すると言うものです。根元の電源をリモコンでON/OFFできるので、一度に全ての装置の電源ON/OFFとなります。勿論、複数台用意すれば、さらに複雑な操作もできるでしょう。いかがでしょうか。
【PHONO入力端子のあるアンプ】もはや一部のマニアのためのオーディオ機器になってしまった感のあるレコード・プレーヤー(今はターンテーブルと呼ぶ)。ですが、一部のアンプにはこれを接続するための「PHONO入力端子」が付いている場合があります。
レコード・プレーヤーを接続してあれば良いのですが、未接続の場合には、この端子からノイズを拾い易いとあります。アンプでノイズ問題がある場合には、右の図の様に、この端子にショートピンプラグを嵌めて見てください。もしかすると改善するかも?
【初期化】複合機種の場合、チューナーの受信周波数やタイマーなど様々な機能がユーザー設定できるようになっている。中古品を入手した場合には、設定値が自分と合わない事がある。リモコンがあれば再設定可能だが、リモコンも取説もない場合、ちょっと気分が悪くなる。そんな時、せめて工場出荷状況であれば多少は気分は落ち着く。加えて、取説を手に入れる事も重要である。取説には、リモコンが無くても本体だけで設定変更できる場合も少なくないからである。
機種は限定ながらも、弊方で知りえた機種の初期化方法を照会しているのでご参照下さい。
→≪本体から初期化+その他操作
  オーディオを楽しむ ☆
【良い音を求めて①前置き】そもそも良い音とは何だろうか。綺麗な音、透明な音、楽しい音、体を揺さぶる重低音、・・・。誰しも、好みはあるにせよ良い音が好きである。しかしながら、費用との兼ね合いから、欲しい機種を手に入れられる方は少ない。不満は残るものの、手元の機器で我慢するしかない。ならば、手持ちの機器の性能を最大限に引き出して楽しむのも、高級機を手に入れる事と同じ位の満足感が得られる筈だ。むしろ、一般庶民の本来のオーディオの楽しみ方とも言えるのではないでしょうか。
そこで重要になるのが、知識である。様々な知識を駆使して試行錯誤して作り上げたシステムは、かけがえのない唯一無二の装置である。弊方の友人も同様。僅かなお金(それしかできない)で様々な事に挑戦している。i知れば楽しい、知らなければ不満が残る毎日。調べる事、試す事はタダであり、僅かなお金である。専門家の様に小難しい技術論は知る必要もないが、せめてオーディオの一般常識位は身に付けたい。何が一般常識?どうしたら知る事ができる?その答えをご自身で探す姿勢・心構えこそが重要であると知るべし。
【良い音を求めて②機器選定】昔にあこがれた機器、お金がなくて買えなかった機器も、今ではかなり安価に中古市場で流通しており、探せば意外と見つかるものである。思い切って買ってみたらどうだろうか。あるいは、当時に使っていたシステム構成をを再現してみるというのもアリ。「そうそう、こんな音だったよな」となる。そして、今の機器と聴き比べをする。更に余力があれば、中国製のアンプやスピーカーも聴いてみる。自分の耳がどの程度聴き分けられるか。更に、1960年以前のモノラル音源と最新デジタル録音で聴き比べてみる。きっと面白い発見がある筈だ。
誰しも良い音を探し求めている。ところが実際のところは、正確な聴き比べは難しい。音源(試聴するCD等)によって再生される音の違いは装置の違い以上である。そして瞬時に切り替えればその違いはハッキリと聴き取れるが、時間が空いたり、聴く場所が異なれば、その違いを感じる事も難しい。人間の耳はなんといい加減な事だろう。真剣に「良い音とは」を実感するには、先ずはソースを限定する事である。利便性を優先すれば市販CDになる。高音質録音であれば、どれで聴いてもそれなりに良い音になり、昔の録音であれば、どれで聴いても古臭い音になる。どちらの音源で聴き分けるかは自由。但し、初めて聴くCDでは意味が無く、聴き熟したソースにして欲しい。また、できるだけ多くの機種を体験する事は重要だが、ショップなどで試聴する場合には比較試聴用の自分のCDを持参して聴き比べるのが良いだろう。また小さい音では違いが出にくいので、ある程度の音量で聴き比べるのが良い。どこかで聞いた話だが、試聴する時に使用するアンプなどの装置はなるべく安物が良いという。自身の色付けが少なく、周辺装置の違いをストレートに出すからだと。ボーズのアンプなどは、スピーカーまで支配的である。
一番良いのは、ヤフオクなどで中古の実機を手に入れ、ご自身のセットとご自身の耳で実際に聴いてみる事。納得がいかなければ、またヤフオクやメルカリに出品すれば良い。購入時とほぼ同額で売却できるのでは。送料マイナス分は、たかだか千円程度でしょうから、趣味にかけたお金と思えば安い。加えて、セレクターで切り替えて試聴する事も一考。瞬時に切り替えれば、誰にでもその違いはすぐに分かる筈です。セレクター専用機はそれなりの価格ですが、AV切替器であれば1000円程度で購入できる。
時々見かけたり弊方へ質問されたりするのが、「どれが良い音ですか」「お薦めはどれですか」という質問である。個人個人には好き嫌いがあり、理屈でも確率でもない。好きな音は好きだし、嫌いな音は嫌い。食べ物の好き嫌いと全く同じである。著名なメーカーであれば、ある程度の音質レベルや音傾向は確保されており、どの価格ランクにするかどのメーカーにするかは、ご自身の耳と勘に頼るべきであり、人の言葉は信じるべきではない。マニアと言われる人ほど、高級機では無く比較的安価な装置を日常的に愛用しているものである。とある方は、著名メーカーの大型スピーカーの上にちょこんと小さな10センチのフルレンジ・スピーカーを乗せ、これで鳴らす。多くの人は騙されてしまう。
【良い音を求めて③自分の感性を信じる】そもそも音楽とは、単なる趣味ではなく精神安定剤のようなもの。忘れてはならないのが、メーカーのうたい文句や評論・解説ネットの記事は、すべてビジネス的配慮があるという事。つまりは、実態は別にして、次機種は前機種よりも高音質であらねばならないと言う思いがある。時には、次機種が前機種のコストダウンや不具合の解消という場合も少なくないのである。
であるならば、何が本当に正しいのかと言えば、己の感性が自分にとって一番正しいのである。それ故に、手元にある機器だけでなく、機会あるごとに価格に関係なく様々な装置を聴いてみる事が極めて重要になる。できるものなら、真空管アンプ、レコードプレーヤー、数千円の中華アンプなども。そしてより多くのオーディオ仲間と出会い、いろいろな情報交換ができる環境が望ましい。意外と近くに、オーディオ好き、音楽好きの方が多い。
【RCAより光ケーブル】やはり、通常の赤白オーディオ(RCA)・コードより、光ケーブルの方が、確実に音は良い。透明感が増し、一音一音がハッキリする。多くの「ONKYO/FRシリーズ」には光入力端子が装備されているので、お買い得。一度は試して欲しい。
ちなみに、光ケーブルを丸める場合には、直径15cm以上の円形にして束ねて下さい。通常のRCAケーブルや他のコードの様に、
折り曲げてはいけません
【スピーカーの向き】ボーズのスピーカーを聴いた事がありますか? 喫茶店などで流れている音楽はだいたいがボーズ。ボーズのスピーカーの特徴は、高音部を発するツィーターの向きが変な事。正面ではなくあっちを向いている。これは、壁からの反射音を積極的に活用するかららしい。低音部は指向性があまりないので、思い切ってスピーカーを外向きに置いてみる。約45度程度で、音量はいつもよりやや大きめ。何と音楽が部屋一杯に広がり、とても新鮮な音楽空間を感じる事が出来る。喫茶店や映画館、そして音楽ホールで聴いている様な感じ。気に入らなければ元に戻せば良い。
ちなみに、ご存知の方も多いと思うが、耳の高さにツィーターが来るように高さを合わせ、2つのスピーカーとご自身の位置が、1辺の長さが2mの正三角形になるような配置で、スピーカーの向きが自分に正面に向くのが、理想的なスピーカーの配置と言われている。実際には、置き場所がなかったりするので、本体の両脇にスピーカーを置かざるを得ない事も多いと思うが、左右のスピーカーの位置が狭いとステレオ感が損なわれるので、その場合にはスピーカーを少し外側に向けた方が、ステレオ感(音の広がり感)が向上するでしょう。
【スピーカーの簡単チューニング】スピーカーのキャビネットには、いくつかの機能がある。ただの箱ではない。スピーカーの振動板は音楽信号に従って前後に動く。その時に発生する空気振動が聴く者の耳に伝わってくる。当然、振動板の裏側(キャビネットの中)にも発生し、これの低音部を積極的に利用するのが「バスレフ」という穴の開いたキャビネットである。この穴に、振動を吸収するために何かを詰めてみる。詰めるものによって効果は様々だが、概ね締まった低音になる。くれぐれも、押し込み過ぎてユニットに触れぬ様。強者は、キャビネットを外し中の吸音材にまで手を加えるらしい。強度が弱いプラスティック筺体の場合には、吸音材の材質や量によって激変する事もある。話によれば、厚紙をテトラポットの形に折って固定したものを入れるらしい。材質により大きさにより効果は異なるだろう。富士通テンのタイムドメインでは必須の調整作業らしい。
【スーパー・ウーファーを繋ぐ】普段から聴いているオンキョーのスピーカー。良い音で鳴っている。間違いのない所である。ところが、スーパー・ウーファーを繋いで見ると、全く次元の異なる音がする。そして、これだけの重低音を、いつもは聴き逃しているのかと、驚く事間違いなし。それ位の違いはある。一度は聴いてみたい、スーパー・ウーファーの音。
接続には、少々の知恵が必要である。まず、アンプの裏側を見て下さい。スーパー・ウーファー専用の出力端子があれば、入力端子だけの機種(サラウンド・セットのウーファー・ユニットなど)が接続できる。常設のスピーカーは、そのまま。普通のスピーカー端子しかない場合には、「YAMAHA/YSTシリーズ」などのアンプ内蔵のウーファーを選択する必要がある。いつものスピーカーは、スーパー・ウーファーの出力端子に接続する。ちなみに、ウーファーには指向性がないので左右の2本を用意する必要はない。置く場所も、邪魔にならない適当なところで良い。加えて、音質的な違いも少ない。
サラウンド・アンプではなく、一般的なアンプであれば、アンプ内蔵タイプの方が良いと思われる。出力レベル(重低音の多さ)やカットオフ(どこら当たりの重低音を大きくするか)なども調節でき、手持ちのスピーカー特性に合わせやすい。
【FM放送の受信調整】AM放送は、コンポに付属しているアンテナを接続するだけで、比較的に容易に受信できる。かなり遠方の地域でも問題なく受信する。ところが、FM放送は、発信局から遠い地域においては、受信環境を整えるのはとても難しい。弊方の環境も芳しくなく、いつも苦労している。
そこで、同様に苦労されている方々への参考になればと思い、アンテナの設置および調整方法について、その手順を次に紹介する。
(1)地域の放送周波数を確認する。
(2)本体のアンテナ接続端子に接点復活剤などを少しだけ吹いて、接点をできるだけ綺麗にする。これが意外と効果的♪
(3)長めのFMアンテナを用意する。FM専用外部アンテナが一番良いのだろうが、ホームセンターで売っている細い線を代用しても大丈夫だろう。ケーブル長さは、4m位は必要であろうか。差し込みタイプの場合には、一方の先端をカッター等を使って、線を剥き出しにして端子に接続する。同軸タイプの場合には、さらにTV用同軸端子を用意してそれに結線してから、チューナーに差し込む。接点復活剤があれば、チューナーの接続端子部に吹き付けておく。長く放置されたチューナーでは、サビや汚れで接触不良を起こしてしまう事が多いから。
(4)チューニング・モードを「AUTO」(初期値)から「MANUAL」に変更し、さらに「STEREO」から「MONO」チューニング・モードに設定する。
(5)マニュアルで、チューナーの受信周波数を、(1)の放送周波数に合わせる。上手く受信できない、ノイズが多いなどの場合には、受信素子の劣化によって、受信周波数がズレている場合もあるので、周波数を少しずらして調整を試してみる。
(6)アンテナ線を窓(外)に向かって伸ばし、更に前後・左右・上下に振ってみる。良好に受信できる位置を確保し、受信出来たら「STEREO受信」に設定変更する。「STEREO」受信ができたら、さらにノイズが少ない最適な場所を見つける。曇り空では受信状況が悪くなるので、晴れた時が最適位置を見つけるのには好都合である。
(7)アンテナ線を、受信状況を確認しながら固定して、作業を終える。
ステレオ工房ポニーのYoutube動画FMアンテナを自作してみた
※ネット記事や上記の弊方のYouTubeへのコメントなど、難しい理屈が書いてあるが、何も心配する事はない。要は受信できれば良いのである。アンテナ線を触るだけで受信状況は変化するし、家の中の設置環境や家の周囲の状況にも大きく左右される。目に見えない電波が相手故に、これを理屈で説明するのは、ほとんど不可能であろう。つまるところは、色々やって見るのが一番である。むしろ、理屈で解決しようと思うほどにベストな受信条件から外れてしまう。
※近くに置いてある家電(蛍光灯、電子レンジ、テレビなど)から、妨害電波を発する場合があるので、上記の調整作業中は、周辺にある家電の電源は切って下さい。
【FM/AMをリモコンなしで楽しむ】「ONKYO/FRシリーズ」など、リモコンがないとFM/AMのチューニングができない機種がある。リモコンが手元にない場合には、諦めるしかないのか。NO。これも機種によってだが、プリセット機能を使って、受信周波数を設定できる場合がある。決して聞かない局や受信感度の悪い局も登録されてしまうが、それでも、聞けないよりかはマシ?
但し、受信状態が良好な場合に限る。電波が弱いと、希望する放送局がセットされない場合があるので、アンテナ等の設置には十分な配慮が必要である。
【DVDプレーヤーはDVD専用】DVDプレーヤーは、CDを認識するのに時間がかかる。理由は簡単で、CDプレーヤーよりも高速で安定回転(見た感じ、5倍位の速さ)させるのに時間がかかる。加えて、再生可能なメディアが多くメディア違いを見分ける必要があるためだ。「OPEN操作」でも高速回転を停止するのに時間がかかる。これはBD(ブルーレイ・ディスク)やSACD機でも同様。
ピックアップも特殊で、交換用に流通しているのは「SF-HD60」位で、それ以外は高額かつ入手困難。CDプレーヤーで行われているVR調節も殆ど効かない。
一方、DVDプレーヤーはCDの音が悪い(あるいはCDはオマケ程度)との悪評があるが、本当だろうか。これまで多くのDVDプレーヤーを試聴してきたが、メーカーの違いによる音傾向の違いはあるものの、その差を感じた事はない。例えば、人気の「ONKYO/FR-7GXDV」と「FR-7GX」とのCD再生能力の違いは分からない。むしろ、スピーカーの違いや音源の違いの方が遥かに大きい。チューナーとアンプは全くの別回路なので、チューナー・アンプにとっては2つの機器を同じ筐体に収める事になるが、DVDとCDはかなりの部分を共有しているのではないか。そもそも、メディアを読み取るピックアップやメカは共有しているし、DVDの音声変換回路も共有しているであろう。どの様に感じるか思うかは人それぞれであるが。
但し、DVDプレーヤーは高密度のメディアを読み込むためにピックアップや周辺部品への負荷が高い。BDやSACDは、より高精細な映像と高音質な再生音を謳っているので、DVD以上に読み取り条件は厳しい。結果としてピックアップはもちろんの事、モーターやコンデンサー等の劣化も早い。さらには、修理の費用も高額の上、回復できる可能性も低く、修理を引き受けてくれる技術者を探すのも大変である。
CDを聴くことが多いならば、DVDプレーヤーはDVD鑑賞用のみとし、普段はCD専用のプレーヤーをお使いになる事をお薦めする。これらの機器の寿命はCDプレーヤーの数分の一と認識してください。CDプレーヤーがあれば、DVDプレーヤーを修理に出したり買い替えたりする間のバックアップにもなる。一番のお薦めは「ONKYO/C-705シリーズ」。バックアップ機としては最高傑作と思っています。
  日頃のケア ☆
【ケーブルの抜き差し】アンプ等の故障で多いのが、RCA端子(オーディオ・コードを差し込む端子)接続部のハンダ割れである。少々強引に、ケーブルの抜き差しを行ったからであろう。ケーブルの抜き差しは、回しながら少しづつ差し込んで下さい。抜く時も同様で、回しながら抜いて下さい。抜けにくい時は、引き抜く方向よりも、回す方向に力を入れて下さい。
もう一つの場合が、線を差し込んだまま機器を移動させようとして、ケーブルを横に強く引っ張った事はないだろうか。片方から音が出ない、接触が悪い(音が途切れる)などの症状では、これが疑われる。
極稀には、差し込み状態が悪かったり、接続ケーブルが断線している場合もあるが、確率的には低い。
【子供の悪戯】小さいお子様が、CDやMDデッキの近くで遊んでいる時は、要注意だ。弊方に持ち込まれたCDやMDデッキの中から、おもちゃのコインやシールが良く出てくる。大人が、デッキにCDやMDを入れるのを見て、真似をしたのだろうか。これらは、トレーの開閉不良やMDの挿入・取出しの障害となる事は、想像するに難くない。
【時々動かす】最低でも、年に数回は動かしてみる。メカ部を動かす事によって、グリスの固着を防止し、ベルトの変形を抑止する。また、ボリュームやセレクターなども動かしてみる。接点の接触不良を防止する。ガリが出た時などは、何回も素早く回してみると、徐々にガリが小さくなる。
不幸にして、問題が生じた場合には、≪ [動作確認] 動作確認時におけるお願い:ご自身で可能な正常復帰への簡単な作業 ≫をご参照下さい。
【CDの表面をクリーニングする】CDは気を付けていても汚れてくる。ケースから出してどこかに置いておくならば埃も付く。表面が汚れている・傷が付いているCDは機器への負担が大きい。つまり故障し易くなる。その理由は、「☆故障かなと思ったら☆【メディアに問題が】」の項をご参照下さい。
指紋などで汚れている場合には、女性の化粧用のコットンに綺麗な水を含ませ、CDの光っている方の表面を優しくなぞると綺麗になる。安物(硬い)のコットンやティシュペーパーでは逆に傷が付く場合もある。力加減にも気を付ける事。最初はあまり大事でないCDで試すと良い。レコードの表面も同様の要領でクリーニングすると綺麗になり、ノイズも少なくなる。何より綺麗になって気持ちが良い。
ちなみに、盤面が綺麗でも中心の穴付近が汚れている場合がある、というか汚れている場合が多い。この部分も綺麗にしてください。ここに汚れがついてくると、再生時にチャッキング(CD固定動作)が不安定でなり、再生開始時に「シャリシャリ」と音がする場合がある。ひどい場合には読み取り動作にも音飛び等の悪影響が出る。
傷が付いている場合には、仏壇用具の「ピカール」をコットンに付けて、傷の部分をなぞると、傷が浅くなり読み取り精度が上がる。なかなか傷が取れないと強く擦ると、逆に傷だらけになってしまうので、この場合にも力加減に注意する事。青や赤のマジックを傷に塗ると「音飛びが無くなる」とのネット情報もあるが、定かではない。
【カセットデッキのヘッドをクリーニングする】カセットデッキのヘッド部分は、テープの表面を擦る様にして、テープに書き込まれた音楽情報を読み取る。使い続けたテープの表面は微細な磁性体の粉が離脱しており、再生・録音操作によりヘッドに付着し、ノイズが出たり、最悪の場合には音が出なくなる。この事態は避けようがなく、定期的なクリーニング作業はテープ愛好家にとって覚えておかなければならない必須作業である。
取扱説明書によれば、「クリーニング・テープを使って定期的にクリーニングする」とある。確かに、カバーを外さないとヘッドは見えないし、定期的にクリーニングすれば、ヘッドの汚れは少ない。ところが、長期間放置した場合には、ヘッドに付いた磁性体の粉を取り除くには、クリーニング・テープでは難しい、と言うより取り切れないだろう。
結論から言えば、カバーを外して、濡らした綿棒でヘッドを直接クリーニングするのが良い。カバーを外す事に躊躇する方が多いが、本件のみならず、ベルトの交換やその他の簡便なメンテナンスを含めて、カバーを外して中の様子を直接観察する事をお勧めする。カバーを外したところで、何の悪影響もない。それよりも、メカの構造や動きを知る事はとても重要である。加えて、長期間に及ぶ再生動作により、ヘッドがテープの磁力で帯磁する。再生音がこもった音の場合には、これが疑われる。以前に、カセットデッキの修理を行った時に、修理のついでにヘッドの消磁を行い、お客様から「あまりの綺麗な高音にビックリした」の感想もあった位である。
【外観を良くする】何かをぶつけた、落とした、元々傷などが多かった、等々。外観に問題がある場合、オークション等にて、ジャンク品だが外観は綺麗な個体を入手して、サイド・カバーや正面パネルを入れ替える。概ね、プラス大のドライバーが1本あれば、作業はできる。簡単な作業ですが、修理の第一歩としては、リスクも小さいので最適である。
【学習リモコン】リモコンは、原価:100円程度である。従い、使用部品も安く、製造は当然国内ではない。そして、意外と故障も多いが、純正を再び入手しようと思えば、それなりのコストもかかる。是非とも、「学習リモコン」に覚え込ませ、純正品はどこかに温存される事をお勧めする。複数のリモコンを使用されている場合には、学習リモコンに集約できる上に、操作も統一できるので、使い勝手も改善されるでしょう。参考・・・≪ 『学習リモコン』って何?
  故障かなと思ったら ☆
オーディオに詳しくない多くの方は、いつもと違うと感じたときに「機械がおかしくなった」と、思うように操作できない時にも「機械がおかしい」とまずは思うだろう。これは中古品を購入した時も同じ。ところが、意外にもメディアや環境、操作ミスの場合も少なくない。以下の各項に、原因別に不具合の状況と対策について述べてあります。本ページの公開に至った最初の思いもここにあります。
【音飛びがする】音飛びと一口に言っても、細かく見れば様々な症状と原因がある。最も多いのがCDプレーヤーやMDデッキのピックアップ劣化であるが、アンプ等にも原因がある場合がある。メディアや外部振動などは論外。
原因①:アンプのスピーカー・リレーの接触不良。症状が一定せず、良くなったり悪くなったりする。使っていない機器に多く発生し、ボリュームを上げたり、使うほどに改善する傾向がある。リレー接点を磨くか部品交換するのが良い。
原因②:接続端子部のハンダ割れ。ケーブルの抜き差しが多いと、端子部と基板のハンダ付け部に亀裂が入り接触不良を起こす。差し込み部を揺らすと音が出たり出なかったり。最悪の事態として音が出なくなる。自然に回復する事はないので、該当個所の再ハンダが必要である。
原因③:ボリュームの接触不良が原因で、軽症の場合には音飛びとなって発症する。「ギャングエラー」と表現する人もいる。悪化すれば、ガリや音が出ないなどの症状に発展する。デジタル式ボリュームの場合には、ボリューム値のフラツキとなる。部品交換は出来ないので、何度もクリクリと回して接点を回復させるか、分解して接点をクリーニングする。
原因①~③は、故障状態が軽微の場合に起こり、症状としては音飛びに近いのだが、正確には「断音」である。つまり音が途切れる状態である。電波状態が悪い時のテレビや携帯電話と同じ。
原因④:プレーヤーのメカ故障。発生頻度としては一番に多い。機器の買い替えかそれなりの専門的な知識・経験が必要。
  ④-1:ピックアップ不良またはレンズの汚れ
  ④-2:CD回転モーター不良
  ④-3:ギア不良(歯の劣化や摩耗、欠損など)
  ④-4:グリス枯れまたは固着
  ④-5:スプリングまたはゴム劣化によるCD固定が不完全
原因⑤:気温が10℃を下回ると、結露が発生する【結露と低温(10℃以下)参照】。特に寒い屋外から暖かい室内に移動した場合には必ず発生する。機器だけでなくメディアも同様。また、気温が低いと機器内部のコンデンサーの動作が悪くなり、音飛びや電源不良、操作不良など様々な故障に至る場合がある。その場合には、室内に暫く放置しておくだけで解決する。
原因⑥:メディアの問題。特に同じ場所で音飛びする場合。次項メディアに問題がをご参照下さい。
原因⑦:異物が機器内部に入り込み、ピックアップの移動を阻害している。原因は子供の悪戯をご参照ください。CDプレーヤーの場合は、カバーを外せば簡単に除去できるが、複合機の場合はなかなか厄介な作業となる。
原因⑧:修理作業でピックアップ・ケーブルがどこかで引っかかっての自由度が足りない場合に起こる。ケーブルの長さが足りないか、ケーブルが自由に動けない状態になっている。
原因⑨:極々稀な事だが、「KSS-213C」等の後部にVR調整用のツマミがあるピックアップの場合、このツマミが上部に変形していてメカの奥側に当たってそれ以上に外周に移動できない時もある。フレキが短かったり何かに当たっていてピックアップが自由に動けない場合もある。
【メディアに問題が】ハッキリ言おう。不具合の半分は、機器ではなくその周辺(メディア、操作ミス、環境)に原因がある。そして、その中でもメディアが原因である事が実に多い。以前に、「正常に動かない」と返品された機器に入っていたCD・・・目を覆いたくなるような指紋と何かの汚れ。手持ちのCDは何事も無かったかのように正常に動いた。あるいは、動作確認のためにCDを再生すると音飛びが発生、CDをクリーニングしたり別のCDに変えると何事もなくスムーズに再生を終える、そんな事は日常茶飯事。
結構な確率で起きるトラブルの一つに、CDの中心部に汚れが付着しチャッキング不良(症状としては「読み取り不良」や「音飛び」、メカ的にはチャッキング不良)になっている事があります。濡らしたティッシュでCD中心部の表面を綺麗にクリーニングして下さい。
音飛びが発生したら、まずはメディアを疑おう。原因が機器にある場合には音飛びの場所は不特定だが、メディア不良の場合には再現性が高い(音飛びする場所が同じ)。メディアのクリーニングは「シルコット」と「アクアショット」で。新品の様にピカピカになる。レコードも同じ要領で。CDに傷が付いた場合には、仏壇用具の「ピカール」を「シルコット」に少量塗って傷の場所を軽く何度も擦ると改善する場合がある。
他の装置では読み取れたので、メディアには問題ない。だから、この機械が故障している」とは限らない。各機器にはそれぞれに読取仕様があり、取説などにも詳しくは書かれていない。例えば「複製制限機能の付いたコピーコントロールCD(CCCD)」や、「作成条件が悪いCD-R」などは、読める装置と読めない装置が存在する。そもそも、CCCDは製造メーカーでも動作保証外である。一番良いのは、装置が発売された頃に既に発売されている傷や汚れのないメディアで試される事。古い装置が新しいメディアに完全対応しているとは考えにくい。加えて、中古品は何がしかの劣化もあり、読取能力も低下気味である。CD-Rに読取エラーが発生した場合、一番に疑うべきはCD-R側である。CDレコーダーでの焼きが甘くなっており、ピックアップが極めて良好な状態の機器では読み取れるが、それ以外の機器では読み取れないという事例は少なくない。
意外と知られていないのが、市販CDの不良。市販CDとは言え、紛れもない工業製品である。生産されたCDは新品だが、それを製造する機械は中古である故、一定の確率で不良品が市場に出回る。書き込みの程度、中心孔の偏芯、厚みの誤差、等々。これらの誤差への対応力も機器によって様々。従い、「市販のCDが読めないから」といって、若干の読み取り能力は低下しているかもしれないが、だからといって「機器が悪い、故障している」とは一概に言えない。
また、何10回と繰り返し録音したMDは早めに廃棄した方が良い。ブランク・ディスクとて同様に疑わしい。ブランク・ディスクとは、何も書かれていないディスクの事であるが、MDデッキで全曲削除した場合は新品のMDとは似て非なるもの。つまり、ピックアップが劣化している機器で作成されたブランク・ディスクは、ピックアップがやや劣化している機器にとっては読めない(あるいは読みにくい)ディスクとなる。また、使い古されたMDでも同様。MDには明らかに使用限界が存在し、何時かは不具合が出る。それが何時かは分からないし、突然に書き込みに不具合が出る。録音が上手くいかない場合には新しいMDに変えてみて欲しい、何事もなかったように正常に録音を終える場合がある。MDはケースで覆われているものの、ディスクは結構な確率で汚れている。詳細な原因は分からないが、細かい埃などがメディア表面に付着している事は事実である。従い、メディアの再生または録音エラーが発生したら、いくつかのメディアで試してみるか、できるなら使い慣れたブランドの新品メディアで試してみる。それでもエラーが出るようなら機器を疑うべし。
読み取りが困難なCDやMDでは、これを読み込もうとしてシステムはより強いレーザー出力をピックアップに要求する。このメディアを多用すれば、結果としてピックアップは早く劣化してしまう。ネット情報ではあるが、録音時は再生時の5倍のレーザー出力が必要らしい。従い、MDデッキやCDレコーダーの録音機能を多用すれば通常よりも早くピックアップは劣化する。
つまりは、不適切なメディアや録音操作は、機器を早く劣化させる。
メディア以外でも、結露や低温の影響、接続コード不良、電源経路やハムの影響、さらには輸送時の長時間の振動等による一時的な不具合などもある。操作ミスや接続ミスなどは論外であろう。
【取扱説明書は重要】意外と気にかけないのが取扱説明書。CDプレーヤーやチューナー等は、殆ど必要ないでしょう。ところが、DVDプレーヤーやMDデッキ、アンプなどは、これが無いと100%の機能を果たす事ができない。やはり、愛機であればある程、少々苦労してでも取扱説明書は入手しておきたいところ。中古品を購入した場合などでも、故障かと思ったら操作や設定が悪かったなどというのも多々ある。特に、サブウーファーを付けたり、自分でスピーカー・セットを構築したり、海外の希少製品と接続する場合には、取扱説明書を見ながらの作業でないと、機器側でプロテクトがかかると言う事態にもなりかねない。プロテクトがかかると故障品と同じ状態となり、どうにもなりません。それ以外にも、その機器特有の注意事項があったり、日頃のケアで注意すべき事項等が記載されていたりする。取扱説明書がない状況で「丁寧に扱っている」は片手落ち。
弊方と既にお取引のある方は、取説のPDFを無償にて送付させて頂きます。お気軽にお声かけを。
【リモコンの故障】リモコンの故障原因の主なところは2つ。一つは電池の液漏れによるパターンの腐食、もう一つは使用過多あるいは長期間未使用によるスイッチの接触不良。修復の記事がネットに掲載されているが、実際にやってみるとなかなか容易ではない。まず、カバーがなかなか外れないし、中の構造が分からぬままに細いドライバーの先を突っ込んで無理に引き剥がすので、ツメやどこかの部品を破損させる確率は50%程度か。慣れていなければ、さらにその確率は高まる。無事に動作するようになったが、あちらこちらに傷がついてしまったという結果にもなりかねない。ちなみに、リモコン修理での必需品はアルミホイル。何に使う?
電池は1年に1回程度の頻度で入れ替え、落下などがない場所に保管し、ボタン操作は必要以上に強く押さない事でしょうか。やはり一番良いのが、普段は「学習リモコン」を使う事か。

稀な事(5%程度の確率)だが、本体のリモコン受光器が故障の場合もある。リモコンの発光部分をデジカメ(または携帯電話)越しに見て白い光が出ていれば本体故障が疑われる。白く光らなければリモコン側の故障か電池切れ。
ステレオ工房ポニー:リモコンを修理してみた
【市販のCDクリーナーは使用禁止】市販のクリーナーは、小さなブラシでピックアップのレンズを擦って埃などを除去する。当然、除去された埃は、ブラシについたまま。読取が悪くなったCDプレーヤーは、誤動作の一つとしてCDを高速回転させる事がある。その状態で、小さなブラシを近づけたら・・・。複合機は構造が複雑で、CDのメカ部に到達するのは困難だが、専用プレーヤーは比較的容易。CDの読み込みが悪くなったら、カバーを開けて中を観察し、CDがノロノロと回転している様ならピックアップ・レンズをクリーニング。汚れたレンズは当然CDを読み取りにくい。ならばと、システムはより強いレーザーを出力する。寿命を短くするばかりでなく、読み取った音楽情報も補正されたものとなる。こまめなクリーニングは、機器の寿命を延ばし、より鮮明で粒立ちの良い音が聴ける。
ちなみに、取説によっては「CDレンズ・クリーナーは使用しないで」とハッキリ書かれている場合もある。
【ボタンがおかしい】ボタンの裏側にあるスイッチの接触不良である。高級機は知らないが、大概の機種は安い部品を使っている。オンキョーの機器などでは「ボタンが効かない」ではなく別の機能(「STOP」を押したらトレーが開いたとか)になる事もあるが、同じ原因である。本来ならばスイッチを交換するのが良いが、部品の入手やハンダ付けは面倒。ならば、爪の先で強めに「カチカチ」と20~30回位。正常に戻る事がある。しかしながらあくまでも応急処置。「こういう時こそ接点復活剤だ!」と接点復活剤をボタンの隙間から吹き付けるのは止めた方が良い。そこからではスイッシ接点まで届かないので効果はないし、周辺の基板パターンの腐食等の余計な故障を誘発する。
操作ボタンは比較的安価に容易に入手できるし、ハンダ作業の練習にもなる。ボタン交換はしなくとも、正面パネルを分解してボタンの周囲に接点復活剤をのせ、ボタンを数10回とカチカチするとボタン内部に接点復活剤が侵入して改善できる場合が多い。これをやっても改善しないならば、ボタン交換が必須となる。
【トレーが開かない】弊方に持ち込まれてくる多くのCDプレーヤーのトレー蓋には傷がある。これは、トレーが開かなくなり、ドライバーの先などでこじった跡である。トレーの開閉構造はそんなに単純ではなく、無理に開ければ、どこかの部品を破損させる可能性がかなり高い。そして、取り出したCDにも致命的な傷が付くことも多いだろう。決してやってはならない行為である。トレーが開かなくなった時は、まずカバーを開けて、中の様子を見る事である。CD専用プレーヤーは、CDを上から押さえている黒い板のネジを2本外せば、比較的簡単に取り出せる。手に負えない様であれば、修理経験のある方に相談されると良い。知人にいなければ、弊方でも構わない。取出し作業は、それからである。
参考までに、ベルトの伸びが原因でトレーが開かない場合にどうするか。開閉ボタンを押すと同時に、カバーの上から、ちょっと強めの振動(ゴンゴンという感じ)を与えて下さい。それでもダメな場合には、本体をひっくり返してからボタンを押すと同時に上面(実際には底面)をゴンゴンと叩いて下さい。日頃の行いが良ければトレーが開く事があります。但し、この症状が出たら、もう使わない方が良いでしょう。いつ、中にCDが閉じ込めらる事になっても不思議ではないから。
【結露と低温(10℃以下)】冬場に多いのが、結露によるピックアップ・レンズの曇りである。寒い時期に外から家の中に入った時にメガネが曇るのと同じ現象である。寒い部屋から暖かい部屋に機器を持ち込んだら、ストーブを点けて部屋の温度が急上昇などの時は、数10分間位、何も操作せずにそのまま放置しておく。あるいは、低温の内にCDを操作すると、CDが回転を始め周辺の空気を撹拌するために結露は付き難くなる。この現象は、機器のピックアップ・レンズだけではなく、CDやMDなどのメディア表面も同様である。
また、中古品は低温への対応力も弱くなっており、電源ON直後は「CDを読み取らない」などの症状が出る場合がある。原因は、主にコンデンサーにあると思われる。コンデンサーは低温になる程に内部抵抗が大きくなり電流を取り出し難くなるからである。機器によっては、新品であっても動作保証外の場合もある。そんな場合には、暖かい部屋にて電源を入れた状態で数時間後に再度試してみると良い。何事も無かったかのように正常に再生を開始する。
さらには、メディアやピックアップだけでなく、操作スイッチも接触不良を起こす。グリスがより固くなりトレー開閉も不安定になる。冬場は、なにかと悩ましい。
【ベルトの寿命】CDプレーヤーや他の機器でも、ベルトが使用されている事は殆どの方が知っている。そして、このベルトの伸びやスリップによる故障が多い事も。それでは、その換え時は何時なのか。ある日突然にベルト由来の不具合が出る。ところが、暫くすると復活する。暫く使っていると、また不具合が出てくる。2度目の不具合から不具合の発生頻度は上がる。つまり、ベルトの寿命として一度でも不具合が出たら交換の時期と思って間違いないと思う。但し、ボタンの接触不良(特にオンキョー製品)の場合もトレーが開かないという症状が出るので、ちょっと悩ましい。
ならば、中古品の購入を考える時、ベルトの良し悪しはどのように判断したら良いか。誠に残念ながら正解はなく、運を天に任せるしかないと思われる。
【ピックアップの寿命】いかなる理論に基づいている訳でもない。これまでの修理経験から思う現象である。まず、1980年製造品に使われているピックアップは、入手困難な上に入手できても2万円以上はする。加えて、動作を保証するものでもないからかなりのリスクである。一方、最近の機種に採用されているピックアップは比較的安価で入手しやすい。ところがである。ピックアップの寿命という点で考えると、1980年台のピックアップはなかなかしぶとい感じがする。もちろん寿命を迎えた個体もあるが、健全である確率も想像以上に高い。逆に最近の機種ではピックアップの性能が落ち交換を余儀なくされる事が多い。コストダウンが進んだのは良いが、寿命まで落ちてしまっているのはいただけない。但し、新品のピックアップにした場合に「音が良くなった」と多くのお客様から沢山の報告を受けている。
ちなみに、お手元の機器がどのピックアップを使っているかを知りたい場合は、遠慮なくお問い合わせ下さい。全てを知っている訳ではないが、殆どの機種は分かります。
【ピックアップの交換】インターネットの様々な記事で、「この機種でこの型番のピックアップを交換したらCDを読み込むようになった」「音飛びしなくなった」との書き込みが多くある。間違いでは無いだろうが、これを鵜呑みする事は危険である。弊方に修理で持ち込まれる機器の中で、この修理に失敗したと言うケースが少なくない。その理由は、新品ピックアップに問題があったり、機種によってはレーザー出力の値が異なったり、ピックアップとの相性が面倒であったりするからだ。デノンのCD/MD複合機や「BOSE/AMS-DMC」などは、比較的高いレーザー出力を要求している感じ。Nakamichiでは新品ピックアップに交換して正常になったケースは少ない。Nakamichiがややこしいのは、CDの存在を検知するための別の光素子がある。これが劣化しているとピックアップを交換してもCDが読み取れない。TEACも代用品との相性は悪い感じ。技術的にも成熟しているCDプレーヤーでもこの状態なので、DVD,SACD,BDなどでは、なおさら代用品との相性は悪いと心すべし。「持病持ちの機器」が持病を発症している場合には、ピックアップを交換しても回復しないのは言うまでもない。
さらには、「KSS-213B」と「KSS-213C」、「HOP-1200R」と「HOP-1200S」、「VAM1202」と「CDM 12.1」などに互換性があると言うが、機種によっては何かの原因に引っかかり上手く行かない事がある。すくなくとも「KSS-213B」と「KSS-213C」の互換性は低く、「KSS-150A」と「KSS-210A」の互換性は高い。さらには、「KSS-210A」と「KSS-240A」は純正品と比べると代用品の適合率は低いと感じる。
それでなくても、修理作業中にデストロイ屋に変身する場合もあり、ピックアップ交換作業は実はなかなか難しい。ショートランドの解除が必要であったり不要であったり。ピックアップはまさに機器の心臓部であるが故に、心臓手術並の技術と経験が必要となる。
最も確率高くピックアップ交換できるのは、同一機種または同一メーカーからのメカごとの移植である。あるいは「KSS-213C」「SF-P101N」などは比較的安心して代用品と交換できる。もっとも、新品と言えども代用品(=中国製)には数%の確率で不良品が混じっている。CDを読み込まない原因に、低くない確率でCD回転モーターの劣化がある。いわゆるアッシー部である。個人で修理する場合には、できるだけアッシーモジュールで交換する事をお薦めする。回復できない場合には、様々な角度から原因を探る必要がある。
ご自身でピックアップ交換作業に挑戦してみようと思った時、是非、事前にお問い合わせ下さい。それなりのアドバイスをさせて頂きます。
※ピックアップ交換は、①レンズクリーニング、②基板にあるVR調整、③ピックアップにあるVR調整、④ピックアップ・ケーブルの接点のめくれを確認、⑤メカ的不具合の解消等の作業を行っても問題解決しない場合の最後の手段と思ってください。
最後に付け加えておかねばならない事がある。それは、一般的にネットで入手できる同じ型番のピックアップについてである。これらは全てソニー等のピックアップメーカーがその動作について品質保証しているものではなく、いわば非純正品または代用品である。価格差による品質差は存在しない。その実態は、おそらくはソニー製と同等の製造機械および同等部品で作られていることは間違いないだろうが、工程内検査、出荷検査、受入検査が行われていないかもしれない。場合によっては、メーカーへ出荷する検査で不合格となった製品かもしれない。それくらいに品質にバラツキがある。ならば正規のピックアップを交換したら必ず読み取り不良が改善するかと言えば、そうでもない場合も少なくない。メカ的具合であったり、基板劣化であったり、ケーブル類の接触不良であったり。つまり、回復しない原因が多岐に及びこれらが相互に影響し合うために、単純にピックアップが不良品であるとも言い切れない。それだけ、読み取り不良や音飛びの修理は難しいと理解して欲しい。弊方でも「この際だからピックアップを新品に交換して欲しい」と言われることがあるが、「そうですか」と安易に交換する事はなく、「故障するまではまずは現行品をお使い続けてください」と返答します。弊方がピックアップ交換するのは、交換しなければ不具合から回復できない場合に限るのである。理由は上記の通り。
【修理に出す】不具合の原因が機器側にあると判断され、修理に出す場合、機種名、使用環境、症状、症状の発生時期などを伝え、修理可否を事前に十分に検討してもらい、修理できる可能性が高い場合のみ修理に出す。修理が完了せず現状のまま返却されても、送料や技術料を請求される事が多いからである。加えて、過度の期待は禁物。古い機器は、故障部品の交換もままならず、故障個所によっては修復率は極めて低いと知るべし。弊方に持ち込まれる修理依頼の中にも、一度メーカーに持ち込まれ修理不能と判断されたケースも少なくない。修理はメーカーでもなかなか難しいと知るべし。
さらには、修理に出している間は、当然の事ながらCDを聴けないという事態に陥る。修理が短期間で完了しすぐに返却されたなら幸いだが、時には長期間を要したり最悪は修理が完了しない場合も予想される。そんな場合に備えてバックアップのCDプレーヤーを確保しておくと良い。「ONKYO/C-705シリーズ」は、中古品ながら安価で流通数も多く、筐体も小さく、故障も少なく、メンテナンスも容易(ベルトもピックアップも、さらにはメカも汎用品)。一家に一台、そんな感じです。
【自分で修理する】ご自身で修理を行う事は、愛機の特性や構造を知る事となり、故障の原因が何処にあるのかも分かるようになります。特に故障の多い「トレー開閉不良」は、ゴムベルトを交換する事で回復する事が多いのだが、このゴムベルトは消耗品なので数年毎に交換する必要がある。その度に修理に出しても良いが、比較的簡単な作業なのでご自身で作業する事をお薦めします。
ご自身で修理する際には、以下の事にご留意下さい。
①当たり前の事だが、まずが電源コードを抜く。中の基板にあるコンデンサーは充電状態にあるので、できれば数日間は放置しておいた方が良い。
②カバーを外したら、先ずは動かしてみてメカの動きを知る。動画に撮っておくのも有効。特に各メカが動き出すタイミングが重要。さらには、どのケーブルがどのコネクターに差し込まれているかを写真などを撮って記録しておく。
③ネジの着脱は丁寧に。薄い鉄板にネジ溝が切られているのでバカになり易い。電動ドライバーは絶対に使用禁止!
④外したネジは場所ごとにブロッキング。外したネジは1本1本を元通りに戻す。ネジの付け間違えや余りが無い様に。
⑤なかなかバラせなくて無理な力で分解すれば部品を壊す事もある。分からなくなったらネットで調べるなり弊方にご連絡下さい。
※トレー口正面からドライバーを突っ込んで外そうとしても構造的に無理!部品破損やトレー口に傷をつけるだけで何も解決しない。
⑥フレキを抜く時は補強板の両橋をしっかりと摘まんで揺らすようにしながら抜く。抜いたら必ずビニールテープでフレキと保護板を止めて剥がれない様にする。剥がれてしまったらその時点で修理は失敗で終了する。
⑦一つ一つの作業を丁寧に時間をかけて確実に行う。「いーっ」とならない。「いーっ」となったら休憩。
⑧白いグリスは全部除去してしまう。そして、動く部品が接触するところにはシリコンスプレーやグリススプレーを吹いておく。
⑨チェンジャーなどの動作が複雑な構造や形が複雑な場合などは、分解前に動作の状況や部品の装着位置や向きなどの写真を撮っておく。
また「音飛び」の程度が酷くなった場合には、まずはピックアップのレンズクリーニングを試みてください。尚、市販のレンズクリーニング用のCDは、効果が殆どないだけでなく時として音飛びを悪化させる。必ず、カバーをはずして、時には基板等を分解して、目で確認しながら行って下さい。クリーニング液は純水がベストですが、置き水でも大丈夫です。これを綿棒に付けて軽くレンズ表面を数10回なぞって下さい。次に反対の乾いた方でレンズ表面の水分を完全にふき取って下さい。これを最低でも2回繰り返します。作業の最後にレンズ表面に水分が残っていない事、汚れが取れてピカピカに綺麗になったかを、レンズなどで拡大して目視で確認します。
組み立てる時は、記録しておいた写真や動画、ネット情報などを参考にしながらできるだけ完全復元を目指して作業してください。特にフレキを差し込む時は、慎重に差し込み口とフレキの先端を慎重に合わせ、フレキの保護板部分を指でしっかり挟み込み、左右のどちらかから少しづつ力を入れながらできるだけ平行を保ちながら差し込みます。この時に起こるフレキ先端の端メクレが起きてしまうと、分解前と異なる不具合が発生(電源が入らない、全く読み込まなくなったり)し、修理屋がデストロイヤ屋に変身する瞬間である。
「ONKYO/C-705シリーズ」および「ONKYO/CR-185シリーズ」向けに《ベルト交換手順書》を用意しているのでご参照ください。
参考:CDを認識しない原因(発生頻度順、周辺環境の要因は除く)
①ベルト劣化、②ピックアップレンズの汚れ、③ピックアップ劣化、④CD回転モーター不良、⑤ピックアップ移動不良、⑥ピックアップ制御基板不良、(ご自身で作業した場合)⑦ショートランド未解除、⑧フレキケーブルのめくれ、⑧結線ミス、⑨交換したピックアップが不良品
また、故障の程度が軽微な場合には、《ご自身で可能な正常復帰への簡単な作業》も合わせてご参照ください。
  雑談&予備知識(気になる事)☆
【レコードの音】数年前に、それなりのステレオ装置を一式揃えた。環境が整うと、数10年前に聴いたレコードが無性に聴きたくなり、レコード・プレーヤーも揃えた。その時、やはりアナログの音は違うと感じた。それは、千円のDVDプレーヤーと10万円のCDプレーヤーの違い以上。どう表現したら良いのか。音が柔らかい?艶っぽい?伸びやか?生々しい?どれも、少し違う。昔っぽいと言えば、そうかも知れない。デジタルしか知らない若者には、好まれないかも知れない。もしかしたら、耳で聞いていながら、昔の記憶と重ね合わせて感じているのかも知れない。一つだけ断言できるのは、1960~1970年代の音源を聴くには、絶対にレコードの音の方が好きである。
CDプレーヤーの登場は1982年で、更に1980年代のCDプレーヤーは、レコードの音質とCDのお手軽さの両立を目指した。1990年代に入ると、レコードの音傾向から離れ、煌びやかさ、透明感、躍動感が増した。従い、レコードの音質傾向を知りたければ、1980年代のCDプレーヤーで聴くのが良いだろう。
【フルサイズって?】オーディオ機器には、コンパクトサイズとフルサイズの大きさがある。かつては音楽を聴くためにはレコードプレーヤーが必要であった。このレコードプレーヤーのサイズがフルサイズ(横幅が40cm以上)である。操作性の観点からオーディオセットの一番上に置いた。そのため、デザイン的観点から、その下に並べるアンプやカセットデッキなどの横幅もレコードプレーヤーのサイズに合わせた。
それ故に、フルサイズって何処かマニア的、あるいは高音質のイメージがあり、レコードプレーヤーは無くともフルサイズを好むマニアも多い。デジタル技術や集積技術が進み、いまの基板サイズは数10年前の何分の1まで小さくなっているので、フルサイズのCDプレーヤーの中身はスカスカ。CDプレーヤーやアンプにとっては、フルサイズである必要性は全く無いのであって、かつてのレコード全盛の名残りである。
【メーカーの特色】メーカーや機種による音の違いはちょっと聴き比べたら分かる。以下に、弊方が感じる印象を紹介するが、あくまでも個人的な感想であり、参考程度と思って読んで欲しい。加えて、貧乏故に高級機には縁がない。
☆オンキョー/ONKYO:INTEC275やINTEC205、大人気の「CR-185」など、最近の機種でもベストセラーを連発しているメーカーで、ヤフオクでも一番人気。高音域がとても綺麗で、聴きやすい。BGMに最適。お客様からの評価も上々。何度でも言う、「FRシリーズ」のリモコンがないとチューナーのチューニングができないのは頂けない。
INTEC185:一番人気は、三代目「CR-185X」、次いで二代目「CR-185II」、初代「CR-185」となる。理由は、やはり微妙に異なる外観か。リミテッド・バージョンの「CR-185LTD」や「CR-185NL」は、流通数が極端に少ない。
INTEC205オンキョーの最高傑作と思う。ベルト交換もピックアップ交換も容易ならメカごと交換も容易。とても長く使える。「C-705」→「C-705X」→「C-705TX」があるが、その次の「C-705FX」が一番人気か。筺体が小さいお蔭なのか、綺麗な個体が多い。後継機になる程、流通数は少なくなる。リミテッド・バージョンに「C-705LTD」と「C-709X」があるが、これも希少。
INTEC275:三代目「C-722M」が、ダントツの人気。「C-711M」と「C-722M」にはリミテッド・バージョンがあるが、これも希少。また、「C-722M」と「C-722MLTD」には、後期モデルがあり、外観は同じだが中身は別物。
FRシリーズ:7番台であれば、「FR-V7」→「FR-V77」→「FR-X7」→「FR-X7A」→「FR-7GX」→「FR-N7/UN7」→「FR-N7X」→・・・。やはり、新しい機種に人気がある様子。故障が多いので、故障リスクを恐れているのかも。メンテナンス品であれば、同等以上の品質が確保されている筈。音質重視であれば。「FR-V7」や「FR-V77」辺りが、「CR-185」に極めて近い音質と感じるので、狙い目か。小型な「FR-155」や「FR-N3X」は、思いの他、人気がない。何故だろうか、設置勝手は良い筈なのだが。逆に言えば、狙い目かも。

☆デノン/DENON:NHKの放送機器に採用されているメーカーとして、有名。メリハリ感あり、重心が下がった、一番好きな音。じっくりと音楽に浸りたい、シンプルな楽器構成で、一つ一つの楽器の演奏を楽しみたい時などに最適。
コンパクト・サイズ:一番のお薦めは「DCD-7.5L」。外観も高級感有り、「デノン・サウンド」を十分に楽しめる。安価で人気が高いのは、「UCD-F07」と「UCD-F88」。個人的には「UCD-F10」や「DCD-F101」のデザインが好きなのだが、残念ながら人気度は低い。アンプ内蔵型の「UD-M30」や「ADV-M51」などにも人気が集まる。また、CDチェンジャーのシリーズ「D-M7,M10,M10E」にも隠れファンが多く、知られざるベスト・セラーである。メカ設計が優秀で、ベルト以外のメカ故障がとても少なく、チェンジャ-としては一番のお薦め。
殆どの機種でオンキョーと人気を二分する。デノンのCDチューナー・アンプとオンキョーのスピーカーは相性が良いと言う。但し、CD/MDチューナー・アンプは何故か不人気。性能的にも音質的にも全く問題無くデノン・サウンドが楽しめるのだが。デノン・ファンにはお買い得。

フルサイズ:どれも一様に人気度は高い。「DCD-1600シリーズ」などは異常とも思える。不良品と正常品の金額がほぼ同じとは全く意味不明。恐るべしデノン。「ADV-1000」にも隠れファンは多い。

☆ボーズ/BOSE:積極的に音質を加工し、原音よりも演奏会場の雰囲気を再現する事を目的としている様な感じ。音の広がり感や、生演奏が好きな方にはたまらないだろう。スピーカーとセットで楽しむ事をお勧めする。もちろん、単独でも何の違和感も問題もないが。高額になるほど人気が集まる不思議なメーカー。
お薦めは、安価でデザインもハイセンス、機能豊富で1台あると便利なCDチューナー・アンプ「AMS-DMC」。意外と小っちゃい。次いで、「CDA-12」、「CDA-8」の順か。「DVA-15」は流通数が少なく故障も多い。「SSS-1MC」や「PLSシリーズ」は、高額であってもそれなりに人気がある。総論的には、どの機種も万遍なく人気がある印象。

☆ティアック/TEAC,TASCAM,ESOTERIC:最近、好きになったメーカー。全体のバランスが良く、芯が有り、華やかさも適度にあり、「良い音」の一言。「BOSE/AMS-DMC」と「TEAC/CR-H100」はほぼ同機種。おそらくティアックからのOEM。「ESOTERIC」は高級マニア向け、「TASCAM」は業務向けの別ブランド。
TEAC:手持ちデータが少ないのだが、やはり最近の機種に人気がある様だ。コンパクト・サイズでは、「Earnest」と「Reference」シリーズがあり、マニア志向の方に人気。安価なフルサイズ「CD-P1820」や「CD-P1850」、「CD-P1260」も好評。「CD-P1850」は、「CEC/CD2300」へのOEMとされているが、逆に「CEC」からのOEMとの情報もある。「TASCAM/CD-160」とも酷似。あくまでも推測だが、基本設計はCECとTEACの共同、生産はティアック、一部の部品はCECが供給・・・そんなところか。「VRDSシリーズ」は別格で、雲の上の存在。
TASCAM:ピッチ・コントーロールが付き、ラックマウント・マウント金具が付いている。ロープライス品は、ティアック品と部品が共通化されている。先にタスカムが設計し、さらにコストダウンしてティアック・ブランドで販売した・・・おそらく間違いない。「TASCAM/CD-150→TEAC/CD-P1820」、「TASCAM/CD-160→TEAC/CD-P1850」、「TASCAM/CD-160MKII→TEAC/CD-P1260
ESOTERIC:TEACの中でもマニ向け高級ブランドであり、一番有名なのが「VRDSシリーズ」。何度か修理を依頼されその音を聴いてみたが、価格差程の違いは感じられないし、価格差ほどのメカ的優秀さも感じられない。一度だけ百万円越えする最高峰の「X-01Limited」の中をみたのだが「ふーん」という感想。

☆ケンウッド/KENWOOD:昔は「TRIO」のブランドで有名な老舗。華やかであり、メリハリ感があり、どちらかといえば元気な音。
Avino:一頃人気があったが、今は低迷。「持病」があり、メンテナンスする者にも嫌われ始めたのかも知れない。「DP-SA7」→「DP-SE7」→「DP-SG7」→「DP-7PRO」とマイナー・チェンジを図ってきた。入手するには、コンデンサー交換品が必須か。
K's:人気は、かなり高い。特に「DPF-7002」。他の人気種に比べて出品数が少ないのも影響しているか。でも、安価でデザインも良く似ている「DP-1001」との音質差は小さいと感じる。デザインが一風変わっているので、シリーズで揃えないと、たいそう違和感を感じる。これもまた、出品された時に人気が集まる原因かも。
Kシリーズ:新しいシリーズ。デジタルっぽさとは異なるケンウッドらしいメリハリある賑やかなサウンド傾向。

☆ソニー/SONY:言わずと知れた、日本の代表的なメーカーで、世界初のCDプレーヤーもSONY。音傾向も、万人向けで、全ての評価項目において及第点以上。逆にいえば、大きなメーカー的特徴もないと言う事か。
独自機構の部分が多く、メンテナンス屋泣かせでもある。昔の「ESシリーズ」を除けば、ヤフオクでの人気もいまいち。実力があるだけに、奮起に期待する。

コンパクト:どれも、あまり人気は無い。「HCD-SD1」だけは隠れファンが多い。音質的には、オンキョーの音傾向にエネルギー感を持たせた感じ。歴史あるメーカーだけに、良い音だと思うのだが。オーディオはインテリア的な要素も含んでいるので、一風変わったデザインが一般受けしないのかも。音質的には後の「ESシリーズ」の流れを汲んでおり、音に厚みがある。
フルサイズ:フルサイズ「ESシリーズ」(1980年代)は人気がある。過去に「CDP-777ESJ」の音を聴いたことが、正直言って、あまりの音の良さに驚いた。ちんけなアンプとスピーカーから驚くような音楽が流れてきたのである。これがソニーの本当の実力。
☆ヤマハ/YAMAHA:昔からのメーカーで、「ナチュラル・サウンド」のキャッチ・フレーズは、皆の知るところ。確かに、出っ張ったころが全く無く、良い音。
コンパクト:「ToP-ART」シリーズの「CDX-10」は、隠れマニアがいるのか、根強いヤマハ・ファンがいるのか、流通数は少ないが、隠れベスト・セラー的。比較的早めに終了してしまう。弊方が取り扱う1990年から200年前半での商品が、元々少ないメーカー。
フルサイズ:一番人気は「CDX-640」。すぐに売れてしまう。次いで、少し安価で新しい「CDX-490,493,496」の型番が、人気どころか。とあるお客様から、「CDX-890」の音質は極上とのコメント。それでも、どの機種も比較的均等に人気がある。一度「CDX-2000」を聴いた事があるが、素晴らしいの一言。

サンスイ/SANSUI:オーディオ御三家と言われ、アンプなどにも秀作が多く、JBLの日本総代理店にもなった程に、一世を風靡したメーカー。残念ながら、オーディオ・ブームの衰退と共に元気が無くなり、現在はその姿はない。サンスイの現役品を有している方、大事にされて下さい。
CD-α7」が、価格的にも安価で一番か。次いで、「CD-α9」。「CD-α77」や「CD-α99」の存在は、あまり知られていない様子。オプションのサイド・ウッドは、格好が良いが、かなり希少品。「BOSE/CDA-8」と「SANSUI/C11」は、外観だけでなく中身も殆ど同じで、サンスイからのOEMとされている。

☆マランツ/marantz:昔からの高級志向のブランドだが、最近は安価な製品も良く出している。独特なデザインは、すぐにマランツと分かる。今の製品には、昔の様なゴリゴリとした馬力感は無い。そのかわり、透明感や華やかさがあり、特に高音部の煌びやかさは特筆もの。アコースティック・サウンド派には、お薦めか。
☆ナカミチ/Nakamichi:オーディオ・ファンなら、一度はその音を聴いて見たいと言う、オーディオ界の高級老舗。何とも表現のしようがない音質。先入観も多分に含んでいるのか。強いて言えば、ヤマハの音質をベースに、透明感と奥行き感が増した感じ。ボーズ的な広がり間も感じる。力強さとか、メリハリ感とかとは対極の印象。なんともいい加減なコメントである。
☆ビクター/VICTOR:オーディオ業界では超老舗。たまに聞く「JVC(Japan Victor Company)」も同社ブランド。以前に所有していたコンポは、小さいながらバランス良く、良い音がしていた。暫くオーディオから遠ざかっていた時の頃であり、殆どブラインド試聴の様な感じで選択した。
☆パイオニア/PIONEER:オーディオ全盛の頃には、オーディオ御三家(パイオニア、トリオ、サンスイ)と呼ばれていた老舗。今でも、その頃のスピーカーには人気が集まる。ターンテーブル方式のCDプーヤーも人気があり、比較的高値で取引されている。一度、その音を聴いてみたが、残念ながら、その違いは分からなかった(苦笑)。最近では、「PD-N901」などがあるが、昔からのメーカーらしく、安定感があり、良い音がする。どんな音?御三家の音に、やっぱり近いか?
☆テクニクス/Technics:ソニーと並ぶ日本の代表的な会社:松下のオーディオ・ブランドだが、「Technics」と時期を違えて「Panasonic」ブランドも存在する。ヤフオクではあまり馴染みがないが、「SL-P770」など実力は相当なもの。
【リモコンが大事!それとも軽視?】同じメーカーであれば殆どの機種で基本操作が可能である? 一度、デノンに問い合わせたら、「基本操作はほとんどの機種で共通」との回答であった。ヤマハでも、実機で確認したところ互換性がある場合が多い。過日の事だが、「CDX-2000」用のリモコンを別機種用のリモコン2台を組み合わせて学習リモコンに登録して自作する事もできた。
ところがである。人気機種でありながら「オンキョー/FRシリーズ」やデノンの昨今の機種は例外。殆どのシリーズで互換性がない。加えて、チューナーのチューニングがリモコンでのみ操作可能の機種が多く大変不便である。どうしてそうなったのか?とても不思議、というより不親切の極みである。リモコンが壊れたら本体の重要機能の一部が使えない訳だから。最近のデノンにもこの傾向が見られ、とても残念である。両社はオーディオ業界の両雄故に、この本末転倒ぶりにオーディオ業界の先行きが心配になる。
もう一つ、ヤマハなどに多く見かけるのだが、取扱説明書に専用リモコンの型番が記載されていない。リモコン操作に問題があってメーカーに問い合わせる場合も、操作しているリモコンが適切なのかどうかも不明。代替リモコンの場合などは、問い合わせ窓口でも混乱し、適切なアドバイスができなくなる筈。リモコンに印刷されていても取説では記載されていない、最悪の場合には、リモコンにも型番が印刷されていない場合もある。オーディオ・メーカーの品質管理やユーザー・サービスへの意識が低い事の現れと思われる。
【ヤマハの不思議】とても不思議な事がある。ヤマハのCDプレーヤー、それも機種が決まっている訳ではないのだが、これまでに何度となく経験がある。電源を入れてCDを再生すると、経過時間ではなく残り時間が表示される。この表示モードを変更するには、本体にはこの操作ボタンが無くリモコンが必要。設定を変更すれば、次に電源を入れても経過時間が表示される。つまり、前オーナーは残り時間表示に設定していた?それもリモコンでしかできない操作を?何故?偶然?他のメーカーにあってもよさそうだが、何故ヤマハだけ?これがあるのでヤマハのリモコンは手放せない。
【ジャンク品で修理を楽しむ】ステレオ装置はいつかは必ず故障する。1年後かも知れないし、明日かも知れない。メーカーに修理に出せば1万円以上取られるし、ちょっと古い装置であれば修理も断られる。どうしますか。故障の原因は様々だが、経験の少ない方でも修理できるケースが沢山ある。とある方から「カセット・デッキの蓋が開かない」と相談を受け、メールにて対応。無事に修理が完了した。そもそも弊方が修理を始めたキッカケも、手持ちのCDプレーヤーのトレーが開きにくくなったから。
故障しやすい一番の装置がCDプレーヤーで、その殆どがベルト由来。ならばと、いきなり手持ちの装置を分解するのは止めた方が良い。90%以上の確率で失敗するから。そこで、オークションなどで似たような機種を入手し、徹底的にトコトン分解して見る。分解前に、何処が故障しているのかは確認しておいて下さい。そして、ベルトがどうやったら外れるのかやってみる。元に戻らなくても良い、と思って。どんな構造になっていて、どんな部品が使われていて、どんな動きをするのかを知ることが重要。そして、どの部品のどの動きが原因で正常に動かないのか観察すると分かる。一番難しいのがコネクターの外し方かも知れない。いろいろな種類があるので、それぞれに経験するしかない。そして、ラッキーにも直ってしまったら、この上なく嬉しい。プラモデル好き、メカ好きの方には、安い遊びだと思う。
そもそも、故障した装置は廃棄処分するか修理するかの二つに一つである。押し入れに入れておいても自然に直る事は決してない。
【メーカーに思う事・望む事】弊方に依頼される修理の大半は、「メーカーから修理を断られた」というもの。操作や設定の問題なのか機器に異常があるのか判断が付かないためメーカーに問い合わせると、先ずはマニュアルに沿った一次回答。さらに細かな質問をすると決まって「分かりません。故障かも知れません」との最終回答。取説の問い合わせをすれば、「PDFからの印刷で良ければ千円にて販売します」との事。これなどはまだ良い方で、場合によっては「在庫がありません」と言って断って来る。余りにも古い機種だと、いきなり「分かりません」との回答。但し、デノンとティアックは好印象である。
またコストダウンの煽りなのか、重要な機能がリモコンでしか操作できない事がしばしば。新品購入の場合にはそれでも良いが、中古品の場合にはリモコンが欠品している場合が殆ど。チューナー・アンプと称しながらリモコンがないとチューナー操作ができない。さらには本体にあるリモコン受光部の故障も少なくない。こうなるとリモコンがあっても操作できなくなる。これっと、どう?
さらには、中古品の場合には前所有者の設定が残っている場合が殆どです。せめて本体のボタン操作で初期化ができると良いのだが。その機能があっても取説に記載されていない事が殆ど。本体からでは初期化操作ができない機種もある。とても残念な事です。弊方で知っている機種については、≪本体から初期化操作≫をご参照下さい。初期化できるとなんだか嬉しい。
さらには、ヤマハに多く見かけるのだが、取説にリモコンの型番が明記されていない場合がある。リモコンにも印刷されていない場合もある。トレーサビリティ面で品質管理さえ疑ってしまう。ユーザーが間違ったリモコンを手にしてメーカーに電話問い合わせをした時の会話はどんな?
これもコストダウンの煽りなのか、最近のアンプでは入出力端子が激減している。ひどい機種では出力端子がない。昔のアンプは、背面にビッシリと接続端子があって抜き差しが困難で結線にイライラするほどであった。ところが最近はスカスカ。最低でも2系統の入出力端子が欲しいところ。

不況と言われて久しく、各社の資金状態も苦しい事だろうが、それにしても・・・。弊方に限らず、かかるメンテナンスを行っていると、代用品では対応が困難なメーカーの純正部品は喉から手が出る程に欲しい。ピックアップ、フレキシブル・ケーブル、AM/FMモジュール、トレーの駆動ギア、カセットデッキのキャプスタン、各ツマミ部品、ボリューム、リレー等々。どこかの工場の片隅で眠っているのではないかと思うと、こちらが眠れなくなる。取説しかり。過去に自社で販売した機器の取説くらいホームページにおいても良かろう。それが真のアフターサービスというもの。お客様を苦労や思い忘れたところに企業の発展はない。
カセットテープやMDデッキなど、メーカーが生産を止めた装置も少なくない。ブルーレイも縮小気味。DVD-AUDIOなどは何処へ行った?業界を発展させようと様々なメディアを開発するも全て空振り。唯一残ったのはCDのみと言ってよい。ブルーレイより昔のレコードを愛聴する人の方が遥かに多いだろう。
そして最近の機種では、これらの接続端子まで無くなっている。一般的には上位互換と言われるように、後から購入した機器は前の機器の性能や機能を上回らなければならないのに、むしろ機能が低下している。「BOSE/RA-18」などは、周辺機器の接続可能数が極めて少ない。「DENON/DRA-F109」は本体から操作ボタンがなくなり、リモコンが無ければもはやパワーアンプとしてしか使えない。何かおかしい!
品質的にも、ディスプレイの劣化(ムラが発生)も何ら改善されていない。最新機器でも使い方によっては数年でムラが発生する。これまた、メーカー自らがオーディオの発展を妨げている大きな要因である。少なくとも、手元で現役で活躍しているカセットデッキを使っているマニアからは、完全に見放されてしまう。目先の利益を追求する事も大切だろうが、もっと広い目でオーディオ界を見守って欲しい。未だに1980年代の機器を愛用している沢山のマニアがいるのが現実であり、オーディオ業界を底辺から支えている。メーカーがこのオールド・ユーザーを切り捨てているが如し。より多くのユーザーに好まれる様に行動するのが企業の使命であろうに、メーカーがユーザーを選んでどうする?これらの心構えがオーディオ業界を衰退させる大きな一因となっていると確信する。

 一つでも、この中からヒントが見つかれば、執筆した甲斐があると言うもの。

*オーディオ製品紹介サイト* (勝手にリンクを貼って、ごめんなさい。)

オーディオの足跡 非常に多くの機種を扱っている
オーディオ回顧録 憧れの高級品が多い
B級オーディオ FAN 年代を調べるのに便利
オーディオ解体新書 非常に親切丁寧に、細かく説明されている


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