「CR-185」とトコトン付き合う 第四話:ボタン操作が変? |
大人気の「ONKYO/CR-185」について、 これから10話にわたり、その構造や故障への対処方法等について、より詳しく説明させて頂きます。そして、より深く「CR-185」を知って頂き、より快適に、そして、「CR-185」と真正面から向き合って下さい。このズングリとした容姿が、可愛らしく見えてくるのが不思議です。
第一話:「CR-185」って、何? |
第四話:ボタン操作が変?
ボタンを押しても反応がない、「PLAY」ボタンを押すとトレーが開く、勝手に電源が入ったり切れたり、など。これらは、ボタンの後ろ側にあるスイッチ(タクトスイッチと言う)の接触不良です。リモコンが操作できなくなるスイッチ不良と同じ原因です。
ボタンを押しても、リモコンの様に反応がないのは分かる。何故、ボタン操作と異なる動きをするのか。その答えは、回路設計にあります。通常は、システムが、どのボタンを押したかを個々に監視しています。つまり、ボタンを押すと接点が繋がるので、その部分の抵抗値は非常に小さい値となり、スイッチが入ったと判断できるのです。
では、誤動作は、なぜ起きるのか。オンキョーのシステムは、一つ一つのスイッチを監視しているのではなく、いくつかのスイッチを並列的に接続して、ブロック単位で抵抗値を監視し、ブロック全体の抵抗値でどのスイッチが入ったかを判断するのです。回路的には簡便化できます。しかしながら、接触不良とは、接触が悪い(接触抵抗が不安定という状態)という事であり、完全なオープンでもショートでもありません。ONともOFFとも言えない中途半端な抵抗値となり、システムが「別のスイッチが入った」と勘違いしてしまうのです。
接触不良が発生すると、ストレスになる事、間違いなし。イライラしますね。これを根本的に解決するには、スイッチを交換するしかありません。比較的安価で部品入手でき、基板にも適度なスペースがあるので、ハンダ付けの練習も兼ねて挑戦してみるというのもアリかも知れません。交換するのであれば、不具合が出たボタンだけではなく、全部のスイッチを交換した方が良いでしょう。他のスイッチも同じ環境にあったので、近い将来、別のボタンで同じ不具合を発生させる可能性が高いからです。但し、このスイッチは、10個単位で売っているので、数合わせが悩ましいかも知れません。10個を購入し、悪くなったらその度に交換する。あるいは、余裕を見て20個購入し、全部を交換するか。
分解作業は、前第三話の手順と全く同じです。スイッチ交換する場合、ハンダ小手とハンダ以外に、ハンダ吸取り器が必要になります。銅製の吸取り線では、なかなか難しいでしょう。ハンダを完全に除去しない内に、スイッチを力ずくで剥がしてしまうと、基板の印刷パターンまで剥がれてしまいますので、この点だけは要注意です。尚、コンデンサーと異なり極性はないので、取付けの向きは気にする必要はありません。交換する部品の入手も面倒だし、ハンダ付けの自信もないと思われる場合には、スイッチの上面にある僅かな隙間から少量の接点復活剤を吹き付け、接点復活剤が接点にまで到達するまで30回くらい「カチカチ」と押して。これで回復する確率は五分五分くらいです。
参考YouTube:
[PONY-修理]「UDCM-M10/DENON」3CDチェンジャーの操作不良を修理
[PONY-修理]「DCD-815G/DENON」トレーが開かない原因はスイッチ不良だった
それも面倒だと言うのであれば、分解もせずに、不具合のあるボタンをやや強めに「カチカチ」と30回位押してみます。強く何度も押す事によって、接点を改善させると言う試みです。一時的に改善する場合があります。接触不良だからといって、接点復活剤を、正面パネルのスイッチの隙間から吹きかけるのは止めましょう。タクトスイッチの内部にまで届く可能性はゼロであり、他の回路へ悪影響が出る可能性の方が高いです。
それも不安だと言うのであれば、正面パネルをニコイチで交換する事でしょうか。ニコイチの説明は、第六話で。
次回は、「その他不具合全般」の原因と改善方法についてです。
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第五話:「CR-185」の故障と原因の関係
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